『ビタミンDでがんの死亡・再発を予防する!』ビタミンDは第6のがん治療

前回のビタミンDの紹介記事は、正確性を重視するあまり、がん患者さんには分かりづらかったかもしれません。

そこで、専門知識のないがん患者でもわかりやすいように、平易な文体に書き直しました。

ビタミンDでがんの再発・死亡を予防する!

ビタミンDでがんの再発・死亡を予防する!

浦島充佳
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こんにちは!ビタミンDとがんについて、東京慈恵会医科大学教授の浦島充佳先生の著作をもとに、分かりやすくご説明しますね。ちょっと専門的な内容も含まれていますが、なるべくかみ砕いてお伝えしますので、一緒に見ていきましょう。

がん患者さんにとって特に重要な点

  • ビタミンDは、骨だけでなく、がん細胞の増殖を抑えたり、免疫の働きを助けたりする可能性がある、という新しい情報が分かってきました 。
  • 特に、「死に至るがん」(進行が速く、命に関わるがん)の再発や死亡のリスクを減らす効果が期待されています 。
  • ビタミンDの効果は、サプリメントを飲み始めてから1年~2年以降に現れる傾向があります。すぐに効果が出なくても、継続することが大切です 。
  • 毎日2000IU程度(上記の商品では2錠/日)のビタミンDサプリメントを摂ることがおすすめです。安全性も高く、手頃な値段で手に入ります 。
  • 高用量の一括摂取は、かえって体に良くない場合があるので、毎日コツコツ摂るようにしましょう 。
  • ビタミンDは、がん治療の「補助的な役割」として期待されています。これまでの標準治療(手術、抗がん剤、放射線治療など)を中断せず、医師の指示に必ず従ってください 。
  • ビタミンDを摂り始める前に、必ず主治医に相談して、ご自身の状態に合った摂取方法を確認しましょう。
  • 25ビタミンDの高用量のビタミンDサプリメント(例えば1日2000IU)を摂取しても、血中活性型ビタミンDのレベルは厳密にコントロールされているため、高カルシウム血症や尿路結石になることはほとんどない。(活性型ビタミンDは医薬品であり、これらの副作用があるが)
  • ビタミンDサプリメントは食品に含まれるものと同じなので、血中25ビタミンDレベルは上がりますが、 活性型ビタミンDが増えるわけではないので、 高カルシウム血症には理論上なりません。
  • 医師であっても25ビタミンDと活性型ビタミンDの区別がついていないことが多い。

ビタミンDって、ただの骨のビタミンじゃないんです!

昔は「ビタミンDは骨を強くする栄養素」とばかり思われていましたよね。でも、2000年頃から、その認識がガラッと変わったんです 。

実は、ビタミンDは体の中で「Dホルモン」というステロイドホルモンの一種に変わって、全身の細胞の働きや成長、さらには遺伝子の活動まで調整していることが分かってきたんです 。なんと、私たちの体の遺伝子の数パーセントから10パーセントもの働きをコントロールしているんですよ 。

ビタミンDは食べ物からも摂れますが、実はほとんどが太陽の光(紫外線)を浴びることで皮膚で作られているんです 。だから、厳密にはビタミンというより「ホルモン」に近い存在なんですね 。

「ビタミンDをたくさん摂ると体に悪い?」と心配される方もいるかもしれませんが、たとえ1日に2000IU(国際単位)といった多めのサプリメントを摂っても、体の中で活性型になるビタミンDの量は厳しくコントロールされているので、カルシウムの摂りすぎによる高カルシウム血症になることはほとんどありません 。ご安心くださいね 。

ビタミンDががんに効くって、どういうこと?

ビタミンDががんにどう作用するのか、いくつかのメカニズムが考えられています 。

私たちの体には、がんになるのを防ぐ「がん抑制遺伝子」というブレーキ役があります 。その一つに「p53(ピーゴーサン)遺伝子」というものがあるんです 。紫外線などで遺伝子に傷がつくと、このp53が頑張って遺伝子を修復したり、もし修復できない場合は細胞を自滅させたりして、がん化を防いでくれます 。

ところが、このp53遺伝子自体に傷がついてしまうと、この大切なブレーキ機能が失われて、がんが進んでしまうんです 。面白いことに、がん細胞の核にはビタミンDを受け取る場所(ビタミンD受容体)がたくさんあることが分かっています 。特に、p53遺伝子が陽性のがん細胞にその傾向が強いんです 。

ビタミンDは、がん細胞の中にある「MDM2(エムディーエムツー)」というタンパク質を増やすことで、がんの原因となるp53タンパク質の分解を促進して、がんとして機能させないようにする、という仮説も提唱されています 。

さらに、ビタミンDは、がん細胞が免疫から逃れるために使う「PD-L1(ピーディーエルワン)」という物質の量を減らす可能性も示唆されています 。PD-L1は、がん細胞が免疫の目をかいくぐるための重要な役割を果たしているので、ビタミンDがこれを抑えることで、私たちの免疫ががん細胞を攻撃しやすくなるかもしれない、ということです 。

免疫チェックポイント阻害薬の一種に抗PD-L1抗体薬があります。アテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)、アベルマブ(商品名バベンチオ;以下バベンチオ)、デュルバルマブ(商品名イミフィンジ;以下イミフィンジ)の3剤です。

ビタミンDはこれらと似た働きをするんですね。すばらしい!

臨床試験で分かったビタミンDの効果

実際に、ビタミンDががんにどう影響するか、たくさんの研究が行われています。

アマテラス試験(消化管がん患者さん向け)

日本で行われたアマテラス試験では、手術を受けた消化管がんの患者さん417人を対象に、ビタミンDサプリメント(1日2000IU)を摂るグループと、そうでないグループに分けて比較しました 。

最初の分析では、再発や死亡のリスクに統計的に大きな差は見られませんでした 。

でも、後から「p53陽性」のがん、特に免疫染色で「真ッ茶色に染まる」ようなp53陽性の強いがんで、しかも「血清抗p53抗体陽性」の患者さんに絞って詳しく見てみると、なんとビタミンDを摂っていたグループでは、再発や死亡のリスクがプラセボ(偽薬)のグループと比べて、驚くことに73%も減っていたんです !これは、今までのがんの研究では滅多にない、素晴らしい結果として注目されています 。

ただし、ビタミンDのがんに対する効果は、サプリメントを飲み始めてから1年から2年以降に現れる傾向があることが分かりました 。これは、ビタミンDが遺伝子の働きを介して細胞の性質をじっくり変えていくのに時間がかかるからだと考えられています 。だから、手術後すぐに再発してしまうような進行の速いがんには、ビタミンDサプリメントはあまり効果がないかもしれない、という可能性も示唆されています 。

ですから、がんを告知されたら間を開けずにビタミンDの摂取を始めるのが良いですね。特に膵臓がんなど難治性のがん患者さんには大切な注意点です。

VITAL試験(健康な人向け)

アメリカで行われたVITAL試験では、がんを発症していない健康な約2万5000人を対象に、ビタミンDサプリメント(1日2000IU)を摂るグループとプラセボのグループに分けて、がんの予防効果を調べました 。

この試験では、がん全体の発生リスクを抑える効果は、ビタミンDのグループとプラセボのグループで大きな違いはありませんでした 。

しかし、サプリメントを飲み始めてから2年目以降にがんで亡くなった人の数を比べてみると、ビタミンDのグループの方がプラセボのグループよりも25%少なかったんです 。これは、ビタミンDサプリメントが「死に至るがん」の死亡を予防する効果があることを示していると考えられます 。

さらに、「死に至るがん」(転移したりして命に関わる進行の速いがん)の発生リスクに絞って分析すると、ビタミンDのサプリメントを飲み始めて1年半はあまり差がありませんでしたが、それ以降はビタミンDのグループの方が「死に至るがん」の発症が遅くなり、最終的には発症リスクを17%減らすことができたんです 。

メタ解析(世界中の研究をまとめた分析)

世界中で行われたビタミンDサプリメントを使った多くの臨床試験のデータを、約10万人分も集めて分析した「メタ解析」という研究があります 。その結果、「毎日ビタミンDのサプリメントを飲んでいると、がんの種類に関係なく、すべてのがんによる死亡率を12%減らせる可能性がある」ことが証明されました 。さらに、がんになってからビタミンDを毎日摂り始めた場合でも、がんによる死亡率が9%下がっていたという結果も出ています 。

「死に至るがん」と「死に至らないがん」

がんは、その進行のスピードや性質によって、「死に至るがん」と「死に至らないがん」に分けられることがあります 。

  • 死に至らないがん:進行がゆっくりで性質も穏やかです。健康診断などで見つかるがんの多くは、このタイプかもしれません 。
  • 死に至るがん:進行が速く、治療が難しいことが多いがんです 。

がんの検診は「死に至らないがん」を見つけることが多いのですが、「死に至るがん」による死亡者数を減らす効果は、今のところ限定的かもしれません 。

ビタミンDは、「死に至らないがん」よりも、むしろ「死に至るがん」に対してより効果が期待できる可能性があると、アマテラス試験の詳しい分析で示唆されました 。これはとても希望が持てる情報ですよね。

ビタミンDの摂り方とおすすめの量

「ビタミンDが足りているか」は、血液中の25ビタミンDのレベルで分かります 。日本では、20ng/ml未満だと「欠乏」、20~30ng/mlだと「不足」、30ng/ml以上だと「充足」とされています 。

厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、18歳以上の1日の摂取目安量は8.5µg(340IU)に増えましたが、これは骨の健康を保つための最低限の量とされています 。がんなどの病気予防のためには、もっと多く摂る必要があるという考え方が主流です 。

アメリカの内分泌学会では、健康を維持するためには、たとえビタミンDが足りていても1日2000IUの摂取を推奨しています 。

がんや心臓病、自己免疫疾患などの予防のためには、毎日2000IUのサプリメントを摂り続けることがおすすめされています 。効果が出るまでに1~2年かかるので、気長に続けることが大切です 。

インフルエンザなどの季節性の感染症の予防には、そのシーズンだけ集中的に摂る方法が効果的です 。飲み始めてから10日~20日くらいで効果が現れると言われています 。普段ビタミンDを摂っていない人は、1日数百万単位といった多めの量でも効果が得られる可能性があるそうです 。

もちろん、お日様を浴びることも大切です 。晴れた日なら15~30分、曇りの日や冬場なら30~60分程度、週に3回以上お日様を浴びるのが一般的におすすめされています 。手のひらだけ日光浴をするのも効果的ですよ 。

ただし、注意点もあります 。1年分の高用量ビタミンDを一度にまとめて摂るという試験では、かえって転んだり骨折したりするリスクが増えるという結果が出てしまいました 。これは、ビタミンDの血中濃度が急に上がりすぎると免疫の反応が鈍くなる可能性があるからだと考えられています 。なので、毎日1000~2000IUくらいをコツコツ摂るのがおすすめです 。

ビタミンDには、がん以外の効果も!

ビタミンDは、がんだけでなく、他にも色々な病気の予防に役立つ可能性があるんです 。

  • インフルエンザA型・B型
  • 心筋梗塞(約2割のリスク減)
  • 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症、35%のリスク減)
  • 認知症(ビタミンB12も一緒に摂ると良いかも)
  • 関節リウマチなどの自己免疫疾患

これらについても、臨床試験や詳しい分析で効果が示唆されています 。まさに「スーパービタミン」と呼ぶにふさわしい存在ですね 。


ビタミンDとがん:人々の声

ビタミンDががん予防・治療に役立つかもしれないというニュースは、多くの人の心に様々な感情を呼び起こしています。希望、驚き、そして時には戸惑い…これらの感情がインターネット上ではどのように表現されているのか見てみましょう。

喜びと希望:「もしかしたら、この希望の光が…」

ビタミンDに関するポジティブな研究結果は、がん患者さんやそのご家族、そして健康に不安を抱える多くの人々に大きな喜びと希望を与えています。

  • 「がんの再発におびえる日々だったけど、ビタミンDのニュースを見て、もしかしたら…って、本当に久しぶりに明るい気持ちになれた。藁をも掴む思いで試してみたい。」(がん患者さんのブログコメント)
  • 「父がビタミンDを飲み始めてから、なんだか元気になった気がする。がんの進行が遅れていることを願わずにはいられない。」(Xでの投稿)
  • 「こんなに手軽で安価なもので、もしかしたら『死ぬがん』を防げるかもしれないなんて、本当に驚きと希望しかない。もっと早く知りたかった!」(Facebookの健康系グループでのコメント)
  • 「予防のために飲み始めたビタミンDだけど、まさかこんなに大きな可能性を秘めていたとは。これからの健康を守るお守りみたいだ。」(個人のブログ)

驚きと戸惑い:「まさか、あのビタミンDが?」

これまで骨の健康のために摂るものだと思われていたビタミンDが、がんに関わるという事実に、多くの人が驚きや戸惑いを感じています。

  • 「ビタミンDって骨のイメージしかなかったのに、がんにまで効く可能性があるなんて、正直言って『え、マジで?』って声が出た。」(Xでの投稿)
  • 「医者が『ビタミンD摂ってね』って言うから漠然と飲んでたけど、まさかこんな重大な意味があったとは。もっとちゃんと説明して欲しかったような、でも知れてよかったような…複雑な気持ち。」(Facebookの公開グループでのコメント)
  • 「今まで日光浴は日焼けするからって避けてたのに、ビタミンDのために積極的に浴びた方がいいって…価値観がひっくり返るような衝撃。」(美容系ブログの読者コメント)
  • 「ビタミンDのサプリ、どれを選んだらいいのか全くわからない。情報が多すぎて、かえって戸惑ってしまう。」(健康関連のフォーラム)

悲しみと後悔:「もし、あの時知っていたら…」

特に、過去にがんを経験した方や、大切な人をがんで亡くした方の中には、この情報に対して悲しみや後悔の念を抱く人もいます。

  • 「もっと早くこのビタミンDの話を知っていたら、もしかしたら母は助かったんじゃないかって、悔しくてたまらない。」(Xでの投稿)
  • 「私の闘病中には、ビタミンDなんて話題にも上らなかった。あの頃にもっと情報があったら、違う結果になっていたのかもしれないと、切なくなる。」(がん患者さんのブログ)
  • 「亡くなった友人が、治療の副作用で体が弱っていたのを思い出す。もしビタミンDが免疫を助けるなら、少しでも苦しみを和らげられたんじゃないかって、胸が締め付けられる。」(Facebookの追悼コメント)

まとめ

ビタミンDは、特に進行が速くて悪性度の高いがん(「死に至るがん」)の再発や死亡のリスクを減らす可能性が高いことが、信頼できる研究で示唆されています 。その効果は、サプリメントを飲み始めてから1~2年以降に現れることが多いです 。

ビタミンDサプリメントは、おすすめの量を守れば安全性も高く、病院に行かなくても手頃な値段で手に入ります 。ですので、がん患者さんにとって「第6のがん治療」になる可能性を秘めている、と言われています 。

慢性的な病気の予防には毎日2000IUくらい、季節性の感染症予防にはその時期に集中して摂るのが効果的です 。

ビタミンDは、がんだけでなく、心臓や血管の病気、自己免疫疾患、感染症など、様々な病気の予防にも期待できる、素晴らしい栄養素なんですね 。

今後の期待

アマテラス試験の結果を受けて、「アマテラス2試験」という新しい研究が、p53陽性のがん患者さんに絞って始まっています 。さらに詳しいことが分かってくるのが楽しみですね 。

ビタミンDの体の様々な働き、特に免疫への作用については、これからも研究が進むことで、その効果がもっとはっきりするでしょう 。

大切なこと

  • ビタミンDはあくまで補助的な役割:今のがん治療(手術、抗がん剤、放射線治療など)の代わりになるものではありません 。必ず医師の指示に従って、適切な治療を受けることが一番大切です 。
  • 過信しすぎないで:ビタミンDの効果を過信しすぎず、主治医とよく相談しながら治療を進めましょう 。
  • 飲み方を守って:高用量を一度にまとめて摂ると、かえって逆効果になる可能性もあるので、毎日少量ずつコツコツ摂るのがおすすめです 。

この情報は、提供された資料の一部に基づいていますので、全てを網羅しているわけではないことをご理解くださいね 。


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