サプリメントのラベルにも注意すべし。ビタミンD

先日、いつものクリニックでアマリールを処方していただいたときのこと、相変わらずこの先生が「膵臓がないのにインシュリンがでているのがおかしいよなぁ」とおっしゃる。癌研の私の手術をした先生は、「実際にはよくあること。教科書が間違っているんだよ」だと言っているのだが・・・。W・B・キャノンが『からだの知恵 この不思議なはたらき』で、すでにこのように言っていることは以前に書いた。

スペアのない器官の安全度
膵臓は、からだが糖を適切に利用するために必要な内分泌物インシュリンを作る。前に述べたように、膵臓を完全に取り除くと、ひどい糖尿病がたちまちに起こる。しかし、膵臓の五分の四を切り取っても、糖尿病にはならない。すなわち、からだに必要なインシュリンを供給するには、わずか五分の一があればよいのである。

しばらく検査をしていないから、ヘモグロビンA1cもそろそろ調べようか?というのでお願いし、ついでに「ビタミンDの値もお願いしたいのですが」というと、「これは特殊な検査なので、検査依頼票に載っていない」とのこと。

ビタミンD値を知りたいと思ったのは、安西さんのブログで「ビタミンDも過剰は良くない」という記事があったから。ビタミンDの過剰は膵臓がん、肝臓がん、胆道がんのリスクを高めるかもしれないという研究です。

なおすい臓・肝臓・胆道のがんが多い理由について、研究者らは次のように推測しています。ビタミンDが有害な二次胆汁酸の解毒にいくつかのしかたで関わっており、多過ぎても少な過ぎてもそれが阻害される。またビタミンDはすい臓がん細胞を増殖させる作用のあるオステオカルシンの分泌を促進する。

私の場合は毎日2000IUですから多いとは思えませんが、念のために測定してみようと思ったわけです。測定についてはもう少し考えてみます。ただ、一般的な日本人はビタミンD欠乏症だと言っても良いでしょう。近年ビタミンD欠乏症がさまざまな疾患の危険因子であると言われていますが、その関与の仕方は不明でした。英国とカナダの研究者らのこの研究では、自己免疫疾患やがん関連遺伝子とのつながりを発見したと報じられています。

なにごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということ。生命に必要な微量の成分は、多すぎても少なすぎてもダメ。からだの、細胞の中の化学反応は、複雑なネットワークが絶妙なバランスで進行しており、複雑系といっても良いようなものです。一つの成分が突然多くなったときのちょっとしたバランスのくずれが「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」というバタフライ効果になるやもしれません。

00015食事も同じではないでしょうか。ある特定の食品に抗がん作用があるからと報じられると、納豆が店頭から消えたりしますが、急に大量に食べたからといって効果があるはずもないし、返って逆効果になる可能性が大きいのではないだろうか。

ところで、私の摂っているマルチビタミンは「ワイル博士のデイリーマルチビタ
ミン オプティマムヘルス(180粒)」ですが、貼付された日本語の説明書には、ビタミンD含有量は(D3-コレカルシフェロールとして)400IUと書かれている。しかし、この輸入代行業者の商品ページでは1000IU/カプセルとなっている。(メールで指摘したが、まだ修正されていないようだ)さらに瓶のラベルを見るといつのまにか、2000IUに!

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ワイル博士が最近の研究成果を取り入れてビタミンDの含有量を増やしてきたこと、2000IUが一日の必要量としては現時点では適量であることを示しているが、輸入代行業者の商品説明にはそれが反映されていない。私は1錠が1000IUのつもりで毎日2錠を摂っていたが、1錠で足りるということではないか。2錠だと膵臓がんのリスク(私の場合は再発リスクか?)が増えてしまうところであった。増量されたのはたぶん最近であり、さいわい気付いたから1錠に減らしたが、金をかけて余計なリスクを負うところであった。

ビタミンには、ビタミンB1、B2、Cのような水溶性のものと、A、D、Eなどの脂溶性のものとがある。水溶性のものは少々摂りすぎても尿として排出されるので心配はしなくても良い。高価なおしっこができると思えばよいわけだ。しかし脂溶性のビタミンは脂肪に蓄積されるので、摂りすぎると悪影響が出ることがある。脂溶性のビタミンは油と一緒に摂ることでより効率よく摂取される。食事療法で油分を控えている場合は、脂溶性のビタミンは蓄積されにくいということのようだ。

「自己責任」でサプリメントを摂るということは、こうしたことまで気をつけるべし!という教訓でした。


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