『あなたの癌は、がんもどき』近藤誠

あなたの癌は、がんもどき
近藤誠氏が12月7日発売で『あなたの癌は、がんもどき』を出版しています。早速購入しました。

医学界に大論争を巻き起こした『患者よ、がんと闘うな 』(文藝春秋)から15年、孤高の医師、近藤誠が沈黙を破って今語る。最新臨床データに基づく「がんもどき理論」の最終見解!論争再燃必至!

だそうです。購買意欲をそそりますね。

近藤理論については、正直なところ評価を迷っています。彼の理論的な記述に反論するほどの専門的な知識はないし、かといってがんには「本物のがん」と「がんもどき」があり、本物のがんは発見されたときには既に転移しているという主張には、納得しがたいものがあります。柳原和子さんも『がん患者学』で、近藤氏と親密に付き合いながらも彼の理論に納得したり反発したりと揺れ動いている心情を正直に書いています。

私の場合も、自分に当てはめたらどうなのだと考えたとき、一層分からなくなります。結局「私の場合、手術したことがまちがっていたのか」という問いに明確に回答をすることができません。膵臓がんで、手術できるにもかかわらず手術をしないということは、賢明な選択とはどうしても思えない。しかし、近藤理論では手術はデメリットの方が多いと言います。ですが、手術を拒否していれば、確実に私は今生きてはいないでしょう。

近藤理論に対する私の当面の結論は、膵臓がんでは「がんもどき」は希であるはずだ。つまり膵臓がんはほとんどが「本物のがん」と考えて対処すればよい、というものです。5年生存率4%程度ということは96%が亡くなるのだから「本物のがん」ということになる。したがって、膵臓がんについては近藤理論の妥当性を考える必要はない。しかし、転移や再発の場合に抗がん剤をやるべきかどうかという点については、近藤理論を整理しておく必要がある。これが当面の結論です。

今回の本では近藤氏のこれまでの主張を一部変更した点もあると書かれています。まだ三分の一ほどしか読んでいませんが、これまでの本よりは患者に分かりやすく書かれているようには思います。「ガンの患者学研究所」との関連で言えば、自然退縮は結構経験しているとも書かれています。自然退縮はがん細胞の遺伝子プログラムでアポトーシス(細胞の自殺)をスタートさせるスイッチが押された時であろうと示唆しているのが印象に残りました。

第8章の「臓器転移と局所再発-そのとき患者は何を選択すべきか」は、私の解決すべき疑問でもあります。再発したときには「無治療でいく」ことを選択肢の1つ(他はペプチドワクチンと休眠療法)にしていますが、近藤氏がどのように主張するのか気になります。


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