『がん 生と死のなぞに挑む』書籍になりました。

Web交流会のご案内


【日 時】2020年12月12日(土) 13:00~16:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの集まりです
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】500円 (PayPal決済、郵便振替)
【定 員】100名
【内 容】
第一部 がん研有明病院 腫瘍精神科部長 清水研先生の講演
『もしも一年後、この世にいないとしたら ~4000人の患者家族と対話した精神科医の学び~』
第二部 患者さん同士の交流会

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。

参加申込受付中です。 詳しくはオフィシャルサイトで


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がん 生と死の謎に挑む (文春文庫)

がん 生と死の謎に挑む (文春文庫)

隆, 立花, NHKスペシャル取材班
616円(12/01 04:23時点)
発売日: 2013/08/06
Amazonの情報を掲載しています

ちょうど一年前のブログで、NHKで放映された「立花隆の『思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む』」に関して書いています。NHKスペシャルとして放映されたあと、番組ではカットされた内容も盛り込んだより詳細な特集がBS1で3本に集約されて放映されました。普段は滅多にテレビを見ない私ですが、幸いこの番組はすべて録画してDVDに残してあります。

この番組の放映の裏話や内容を補足して、書籍として出版されました。この本には最初のNHKスペシャル番組もDVDとして付録になっています。番組を見逃した方にはうれしい企画です。残念なのはBS1で放映された3本の番組は収録されていませんが、いずれNHKアーカイブスで見られるようになるでしょう。

Pdvd_167_2

NHKスペシャルは、

  • 立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む

BS1の3本は、

  • 立花隆 思索紀行 人類はがんを克服できるのか①”がん戦争”100年の苦闘
  • 立花隆 思索紀行 人類はがんを克服できるのか②生命の進化ががんを生んだ
  • 立花隆 思索紀行 人類はがんを克服できるのか③生と死を超えて

NHKで制作されたがんに関する番組は、これまでに数百本に及ぶが、がんの本質論に真っ向から取り組んだ番組はこれが最初である、と巻頭に書かれています。

この番組の制作の意図を、立花氏は次のように書いています。

本書は、2009年11月23日にNHKから放送されたNHKスペシャル「立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む」と一体になった本である。この本が読者として想定しているのは、あの番組をすでに見たという人である。

あの番組はとてつもない情報量を持っている。あの番組は、がんという病気の本質に真正面から取り組んだ、本邦初の本格的がん番組である。たくさんのがん番組が作られてきたが、そのすべてが、がんについての各論でしかなかった。しかし、あの番組は。がんの総論である。

がんとはそもそもいかなる病気なのかというがん本質論に真っ向から取り組んだ番組は、驚くべきことにこれまでただの一本もなかった。

過去のNHKの番組を片っ端から見ていくことで分かったことは、これまでの番組は、患者に気をつかうあまり、客観的な現実をありのままに伝えようとするよりも、患者の耳に入りやすいように加工した甘い情報を伝えがちだったことです。希望がもてない現実を前にしても、あたかも希望がまだまだたくさんあるかのような表現をしがちでした。

しかし、僕たちが作ろうとしていた番組は、そのような番組とは対極にある番組でした。

内容から気になる部分を抜き出してみます。

  • 大半のがんは完治が期待できない。
  • したがって、がんととことん闘おうとしても、その闘いはほとんど徒労に終わる
  • がんと共生、ほどほどの関係を保つことが、正しい折り合いの付け方

このあたりは近藤誠氏の意見と同じです。私もまた、ほとんど同じ考えを持っています。

  • がんと変異と進化能力とは、深い関係がある。がんのもっとも本質的な部分である。
  • 同じがんでも、遺伝子の変異は一人ひとり違う。がんは個別的である。

Pdvd_163

外側の輪が遺伝子の配列を表わし、異常のある部分が線で結ばれている。下の図は同じ乳がんでも患者毎に遺伝子の異常箇所が違うことを表わしている。
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  • がんの世界は複雑系というよりも”超複雑系”。ほとんどひとつの宇宙と言っても良いほどである。
  • したがって、安易な一般化はできないし、全体をとらえることに人類は到達していない。分かっているのはほんの一部にすぎない。
  • 傷を修復する過程でマクロファージが果たしている機能を、がんは利用している。炎症反応を利用して、転移能力を獲得する。(この場面のCGは昨年のブログに載せてある)
  • がんは進化の過程で獲得した能力を利用している。だから、人間ががんになるのは特別のことではなく、起こるべきことがあたりまえに起こっているだけである。

世界中のあらゆる有機物質の抗がん作用を調査しているナチュラル・プロダクト・レポジトリーが番組で紹介されていましたが、この研究所が実は「フォート・デトリック」という世界最大の生物・化学兵器専門の基地内にあるという秘密も明かされています。
5-FU(フルオロウラシル)という抗がん剤があります。ゼローダ(カペシタビン)、TS-1も肝臓や体内で代謝されて5-FUに変換されることで効果を期待されている抗がん剤ですが、欧米ではまったく使用されていないという抗がん剤です。日本のRNA研究の第一人者である自然科学研究機構の前機構長志村令郎氏は、アメリカ留学中に研究資料としてずっと5-FUを使っていたそうですが、『5-FUが抗がん剤として使われていると聞くと、ビックリして、唇をぶるぶる震わせて、「あれはとんでもない毒です。全身のRNAがズタズタにされるのですから、あれほどひどい毒はない。僕だったら、がんになっても絶対に飲みません」といった話も紹介されています。

昨年のブログでは、立場氏がサプリメントを大量に服用していることに関して批判めいたことを書きましたが、それに関しても「あの場面本当は、”こんな場面使うな”といいつつ撮ったものだから無視してくださって結構です。僕が本当に、理屈も分かった上で飲んでいるのはビオラクチスくらいのものです」と釈明しています。患者の自然治癒力、免疫とくに炎症との関係も無視しているとも批判したのですが、本ではそれについても一定の理解を示しているようです。

年末年始に、DVDを鑑賞しながら「がんとはそもそも何者であるか」を今一度考えてみることも、今後の治療戦略を再考する上で有益だと思います。


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『がん 生と死のなぞに挑む』書籍になりました。” に対して4件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    刑事コロンボさん。
    お母様が術後1年を無事に迎えられたこと、おめでとうございます。がんへの対処法は何が正解なのか、実は正解はないのではないかと思います。がんも身体も人それぞれですから、あるのは「より可能性の高い」治療法があるだけなのかもしれません。選んだ結果が正解だったかどうかは、自分の身体で違う方法を試してみるわけにもまいりませんから、これも正解は分からない。
    がんと向きあいつつ、与えられて時間をめいっぱいありがたく過ごすことが、がんに克つ方法ではないかと感じます。
    何はともあれ、無事に正月を迎えられることを、お互いに喜びたいですね。

  2. 刑事コロンボ より:

    初めまして。母が、昨年の12月にすい臓がん(ステージ4a)で膵頭十二指腸切除を行って以来、このサイトを参考にして闘病生活を行っています。
    術後の補助化学療法でTS-1を使用も夏以降に腫瘍マーカーが上昇し、現在はT医師の下、GEM+TS-1で休眠療法を行っており、なんとかがんの勢いを抑えている状況です。
    とは、いうものの70代半ばで日常生活も以前のようにとはいかなくても、普通におくれているのは、このサイトのおかげと日々感謝しております。
    このサイトは私だけでなく、道に迷ったすい臓がん患者とその家族にとって、どれほどの希望と道標になっていることでしょう。
    以前から御礼申し上げたいと思っていましたが、なんとか母が1年間無事過ごすことができ、年を越せることに感謝の念を抱きつつ、筆をとらせて頂きました。キノシタさん、本当にありがとう。キノシタさんの完治を心より願っております。それでは、よいお年を。

  3. キノシタ より:

    のんのさん。久し振りですね。
    コメントによると、ペプチドワクチン療法にも挑戦されるなど、積極的な姿勢に感服致します。栄養にも気を配り、体力を維持して免疫力も高められているし、旅行を楽しむなど精神的にも充実している様子に、これ以上のがんとの戦い方はないのではないかと、心強く受けとめています。
    がんは安静にしていれば治る病気ではないですからね。共存しながら、今与えられた時間を充実して過ごさなければ「もったいない」と思います。明日の生死を心配し、対策を立てることも大事でしょうが、今日はそのためだけにあるのではない、そんな思いで過ごしています。
    生きているって、すばらしいですね。良いお正月をお迎えください。

  4. のんの より:

    『癌は超複雑系でありそれぞれ個別のものである。』を実感しています。主人は7年半前胃がん手術を受け4年目に膵臓癌(原発)にかかり2008年8月手術。
    膵頭部腺癌転移なしリンパにも入っておらずⅡb期でした。1年後にマーカー値が動き出し、まだCTにも写らない状態でしたが2010年1月ペプチドワクチンの話しを聞き、早速申し込みました。
    白血球の形が日本人の60パーセントでなく残りの20パーセントのもので検査に時間がかかりプロトコールを終える頃には2㎝の癌が手術時の継ぎ目の所に姿を見せました。
    ワクチン投与後暫くはマーカー値が上昇19-9が1780まで行きましたがその後順調に下がりだし9月には正常値に入りました。喜んでいたものの、平常通りの仕事をこなし10~11月はオーバーワークをせざるを得ない状態で過ごすと、またもやマーカー値が動き出しました。QOLを保ちつつ癌との共生共存を目指しているですが少し無理をすると免疫力が低下する。GEMと併用なので抗がん剤の副作用は少ないとはiいえ、血小板減少などの形に表れました。しかも胃を半分切除しているので摂食には随分気を使います。
    1年前済陽式で体重が3キロ落ちて主人に叱られました。胃切除以来毎食の記録をつけ1週間単位で栄養バランスが取れているか栄養失調になっていないかを確認しています。間食も取り入れ一日1800Kcalを目安にしていますが172センチ72キロだった頑健そのものだった人が食べても太れず痩せて62キロで裸になるといた痛いしいほどの体になりました。とはいえゴルフにも出かけれられるのですから有難い事です。今まで一緒には旅行にもいけませんでしたがこのブログを拝見して三春の滝桜を見に行きました。その後も折に触れ二人で旅行しています。ブログから学び感銘を受け努力しています。
    癌になって人生観が変わりました。人を愛し仕事を愛し故郷を愛し切に生きると言っています。循環器系はあっという間に持っていかれる。癌は時間がある分大変でもあり
    有難くもある。と病気をしてからも仕事のオファーをいただける事に感謝しながら頑張っています。全く仕事人間で程ほどにと思っても、仕事があるから平常心で頑張れるという主人に
    仕事を全とうできる体力を守らせてくださいと日々祈りをささげています。
    長い文になりましたが、お陰様で元気に年越しできる事に感謝しつつ・・。

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