大阪府立成人病センターがEMCC2011で発表

ダウンステージングさせて手術

大阪国際がんセンターが欧州癌学会で発表した内容が「癌エキスパート」に掲載されています。膵臓がんではすばらしい治療成績を残している病院であり、以前から術前放射線療法でも知られていました。今回はGEM+TS-1+放射線で、局所進行切除不能膵腺癌をダウンステージングさせて手術を適用するという治験の発表です。1年生存率76%という成績です。

局所進行切除不能膵腺癌へのゲムシタビン、S-1、放射線療法併用で高い抗腫瘍効果の可能性

局所進行切除不能膵腺癌に、ゲムシタビン、S-1、放射線療法(CRT)を行うことで高い抗腫瘍効果が得られる可能性が明らかとなった。フェーズ1/2試験の結果、示されたもの。1年生存率は76%になり、生存期間中央値は未到達だ。成果は9月23日から27日までスウェーデンストックホルムで開催されたThe European Multidisciplinary Cancer Congress(EMCC2011)で、大阪府立成人病センターの井岡達也氏によって発表された。

現在、局所進行膵腺癌を対象に、CRTと同時にゲムシタビン、S-1を投与する群と、ゲムシタビン、S-1を投与する110人規模のフェーズ2試験を既に開始しているという。評価ポイントは2年生存率。

井岡氏らは、局所進行切除不能膵腺癌を対象にゲムシタビン、S-1、放射線療法(CRT)という最強と考えられる治療を行いダウンステージングさせ、切除可能にして生存期間を延長させることを目指して、今回の試験を行った。

試験の結果、奏効率は52%、腫瘍制御率は81%、1年生存率は76%、生存期間中央値は未到達という極めて良い結果が得られた。血液学的、非血液学的副作用はほとんど忍容できるものだった。

難治がんと闘う―大阪府立成人病センターの五十年 (新潮新書) 大阪府立成人病センターのことは昨年の9月にこちらで紹介しました。また、大阪日日新聞の記事もまだ閲覧可能です。

切除不能が手術に持ち込めるのは、膵臓がん患者にとっては大きな希望なのですね。重粒子線・陽子線治療を選ぶか、手術が可能になる可能性にかけるか、迷うところではないでしょうか。


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