がんと食事(3)

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葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻)
キャンベルが動物性蛋白質ががんの原因だと確信するようになった理由を次のように挙げています。

  • 通常は成人の病気である肝臓がんが、フィリピンの子供に異常に多い原因を研究していた。キャンベルらは、ピーナツやコーンに含まれるカビ毒のアフラトキシンを大量に摂取していることが原因である、と考えていた。ところが、この研究プロジェクトを通じて知ったことは、最も高タンパクの食事をしている子供たちが、肝臓がんになるリスクが最も高い、という事実だった。がんになっている子供は、裕福な家庭の子供たちだったのである。
  • インドの研究者は、ネズミを二つのグループに分けて実験していた。一方にはがんを引き起こすアフラトキシンを投与し、そのあとタンパク質が総摂取カロリーの20%というエサが与えられた。もう一方のグループにも同量のアフラトキシンが投与されたが、そのあとのエサはタンパク質の比率がわずか5%というものだった。20%のグループではすべてのネズミが肝臓がんを発症していた。そして5%のグループでは、すべてのネズミが肝臓がんを免れていた。100対0という、驚くべき結果であった。
  • 牛乳のタンパク質「カゼイン」を20%与えられたネズミは肝臓がんを発症したが、小麦タンパクのグルテンでは、たとえ20%与えても発症はしなかった。
  • 同様に、牛乳のタンパク質カゼインが、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているハツカネズミの肝臓がんを劇的に促進させることを実験で証明した。
  • 更に、シカゴのイリノイ大学の研究グループによる、ネズミの乳がんの研究では、カゼインの摂取量の増加が乳がんの発生を促進することを証明していた。

いよいよ人間に関して証明をする番である。キャンベルらは、チャイナ・プロジェクトと名付けた大規模な疫学調査によって、同じことを証明したのです。

「チャイナ・プロジェクト」は一九八三年に始められ、現在(2004年)も進行中の長きにわたる研究です。中国全土から65の郡を選び、それぞれ100人の成人を対象として、65の郡ごとに「食習慣」や「ライフスタイル」「病気の特徴」を比較しています。各郡ごとに、「食事やライフスタイルや病気の特徴が、どのように相互に関連し合っているか」を突き止めることが目的でした。ニューヨーク・タイムズ紙が「疫学研究のグランプリ」と絶賛した研究によって、人間においても、動物性蛋白質が各種のがんの発症を促進することが、疫学的に証明されたのです。

驚くことに、これらの実験において、がんの発症が確認されたあとでも、低タンパクの食事はそれに続いて生じるがんの増殖を劇的に阻止したのです。

キャンベル博士は、「重症の心臓病、ある種のやや重いがん、糖尿病、そのほかいくつかの慢性疾患は、食事によって回復可能であることを示す衝撃的な証拠がある」と断定します。

本書の核ともいえる「真実」

  • 環境や食品の中の化学合成物質は、たとえどんなに問題があったとしても、ガン発症の主たる原因ではない。
  • 両親から受け継いだ遺伝子は、病気の犠牲になるかどうかを決定する最も重要な要素ではない。
  • 「やがては遺伝子研究の成果が薬による病気治癒を可能にするだろう」といった期待は、今すぐ可能で強力な解決策を無視したものだ。
  • 炭水化物、脂肪、コレステロール、オメガ3脂肪酸などの栄養摂取をうまくコントロールしても、それは長期にわたる健康にはつながらない。
  • ビタミン剤や栄養剤のサプリメントは、長期にわたる病気予防の効果を与えてはくれない。
  • 薬や手術は、アメリカ人を死に追いやるほとんどの病気を治すことはない。
  • あなたの主治医は「あなたが最も健康になるために必要なこと」を、おそらく知らないだろう。
  • 糖尿病患者は食習慣を変えれば、薬をやめることができる。
  • 心臓病は食習慣だけで回復させることができる。
  • 乳ガンは、食べるものによって決まる「血中女性ホルモンのレベル」と関係している。
  • 乳製品の摂取は、前立腺ガンのリスクを高める。
  • 果物や野菜に含まれる抗酸化物質は、高齢者の知的能力の維持と関係している。
  • 腎臓結石は、ヘルシーな食習慣で予防できる。
  • 子供にとって最悪な病気の一つである1 型糖尿病は、間違いなく授乳習慣と関連している。

こうした研究結果は、「よりよい食習慣こそが、さまざまな病気から身を守る最も強力な武器である」ことを立証している。(つづく)


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