患者申出療養制度に関する意見書

21日、全国がん患者団体連合会と日本難病・疾病団体協議会が、来年4月から始まる「患者申出療養制度」に関して意見書を厚生労働省に提出し、記者会見しました。

詳細は、全国がん患者団体連合会のホームページに掲載されていますが、あまりニュースにならなかったようなので、要約を書いておきます。

「患者申出療養制度に関する意見書」厚生労働省への提出のご報告

         平成27年8月20日
厚生労働大臣 塩崎恭久様
厚生労働省中央社会保険医療協議会長 田辺国昭様
厚生労働省がん対策推進協議会長 門田守人様

一般社団法人全国がん患者団体連合会
理事長 天野慎介

患者申出療養制度に関する意見書

海外で標準的に用いられている治療薬が日本でも早期に承認されること、いわゆるドラッグ・ラグの解消は、1日も早く有効な治療薬を求めるがん患者や家族の切なる声であり、がん患者団体はその解消を求める要望活動を行ってまいりました。しかし、新たな治療薬等については、科学的根拠に基づいた有効性や安全性の担保が不可欠です。また、日本のいわゆる国民皆保険制度は、がん患者や家族が安心して保険診療に基づくがん治療を受けるための命綱です。患者申出療養制度に関して、以下の要望を提出いたします。

1.科学的根拠に基づいた有効性と安全性が示された治療薬については、薬事承認と保険適用を速やかに認めること

患者申出療養制度は、薬事承認と保険適用が認められるまでの過渡的かつ例外的な制度とし、有効性と安全性が示された治療薬については、患者申出療養制度により保険診療との併用が認められている状態に留めず、薬事承認と保険適用について一定の期限までに速やかに認めることを担保する制度としてください。

2.患者申出療養制度の導入が、いわゆる国民皆保険制度のなし崩し的な空洞化につながらないようにすること

がん患者や家族の経済的負担は、現状でも特に長期にわたり継続して治療を受けている場合等において大きなものがありますが、加えて患者申出療養制度の導入により、有効性と安全性が示された新規治療薬が保険適用されないまたは遅れが生じるとなれば、患者や家族の経済力によって受けられる治療に大きな格差が生まれることが危惧されます。

3.患者申出療養制度の導入にあたっては、対象となる治療薬等の有効性と安全性に十分配慮しつつ、患者が利用しやすい制度とすること

承認後に一定の年数が経過した国内適応外薬など、有効性と安全性が一定程度示されているものについては、患者申出療養制度で患者が負担なく少しでも早く使用できる制度としてください。また、臨床中核病院等における相談体制の充実や、重篤な有害事象が生じた場合の補償体制の整備など、安全性に十分配慮した制度としてください。

4.患者申出療養制度の導入に関わらず、科学的根拠に基づく有効性と安全性が担保された治療薬が、早期に使用できるための制度改正や救済策を検討すること

PMDAの体制整備等が進められてきましたが、特に難治がん、希少がん、小児がん等で未だ多くのドラッグ・ラグが解消されていません。また、別紙資料(※)にある高価な未承認薬等を自己負担で使える患者は限られていることが予想されます。先進医療制度の見直し、アクセス制度の整備、経済的負担の軽減に資する基金の整備等を検討してください。


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