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今日の一冊(28)『医者と患者のコミュニケーション論』

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医者と患者のコミュニケーション論 (新潮新書)

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里見 清一
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里見清一はペンネームで、本名は國頭英夫。日本赤十字社医療センター化学療法か部長である。『医者と患者のコミュニケーション論』は研修医が患者と接するときの心得という立ち位置で書かれているが、もちろん患者にも大いに参考になる。

里見先生、あいかわらずへそ曲がりぶりは健在である。私としては気に入らない部分もあるが、それは前著『偽善の医療』への批判として書いたから、暇な人は↓を参照して欲しい(と書いても参照する人は稀である)。

「低用量化学療法」は『偽善の医療』か?

がんを告知されたらどうするか? 現在は多くの患者がインターネットで情報を検索する。そして、まずは国立がん研究センターがインターネット上にアップしてある『がん情報サービス』などを見に行くだろう。いまや世の中、がんの情報にあふれていて、情報難民はいやしない。むしろ玉石混淆の情報に翻弄されている。

この「玉石混淆」が問題なのだ。胡散臭い情報には近寄るなと、言うのは易しである。「がん情報サービス」は国立がん研究センターが提供しているのだから「エビデンスがあり、信頼のおけるサイト」であり「玉」ばかりである。

しかしね、ここから得られる情報は、患者の希望を打ち砕くものがほとんどである。「抗がん剤ではがんは治りません」「〇〇がんの余命は〇ヶ月で、平均生存期間は〇ヶ月です」(年単位ではないんですよね)標準治療の統計にしたがって死んでいけ、と言わんばかりである。

むしろ「石」であるはずの、巷の怪しげなクリニックが提供する情報に、患者は「希望」を感じるのだからやっかいである。

「標準治療が現時点では最高の治療法です」

はい、はい、それには異論はございません。そして、膵がんなら数ヶ月後~数年後にはほとんどの患者が亡くなっているでしょう。

この正しい情報が、患者の闘病意欲を削ぐということが、なんとかならんものだろうか。これでは「情報は命」ではなくて、「情報は害毒」になってしまう。

里見先生も同じことを書いているが、結局は「情報に振り回される患者が悪い」になっている。そうではないだろう。治らないがん患者に「希望」を与えられない医者が悪いのですよ。患者は偽りでも良いから、希望を求めている。希望がなくて、どうして辛い抗がん剤に耐えられる?

エビデンスから外れたところにこそ、希望があるのと違うだろうか。


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今日の一冊(28)『医者と患者のコミュニケーション論』” に対して2件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    ハマリョウさん。お元気そうで安心です。
    いつも前向きの考えに励まされる方も多いのではないでしょうか。
    エビデンスが乏しくても、がんとの闘いは自分に合わせて「いいとこ取り」ですよね。
    本年もよろしくお願いします。

  2. ハマリョウ より:

    キノシタさんこんにちは
    私も膵臓がんは、最終的には手術、抗がん剤、放射線では済まないと思います。
    どこの病院でも行われている標準治療で済む人は、完治した人とあきらめて亡くなった人だと思います。
    私も今年の2月で最初の手術から6年経ちますが、ご存じの通りがんと共存しているのです。
    今後、免疫療法を考えているところです。
    私の知り合いでも重粒子線治療で何年も生きている方もいらっしゃいます。
    アブラキサンも考えられますが、副作用がきついのでct画像とマーカー値で決めようと思ってます。

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