今日の一冊(30)『病気の9割は歩くだけで治る』

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がん患者は、ともかく歩きなさい、と言い続けてきた。長尾和宏氏の『』は、町医者の立場から、多くに患者に歩くことを進め、症状が改善した例を挙げて歩く効用を説いている。

治療の基本は、食事療法、運動療法、その次が薬物療法なのです。ところが現代は何でもお金で買えると錯覚している人が多い。健康もお金で買うものだと考えるから、どこか調子が悪いとなると、まずはサプリメント、そして病院に行って病名を付けてもらい薬を処方されると、それで健康が担保されたと勘違いして安心してしまうのです。

貝原益軒の『養生訓』には歩くことが記されていないが、江戸時代の庶民にとっては歩くことはあたりまえ、一日に3万歩程は歩いていたという。

歩くことで減量したら、血糖値も血圧もコレステロール値も尿酸値も、みるみる良くなるのは、私の経験からも確かです。膵臓がんの手術で20キロ以上痩せたら、血液検査の値はすべて正常値になっていた。

認知症予防には、「計算しながら歩く」と効果があるという、日本人を対象とした研究がある。50から3づつ引き算しながら歩くんだと。なるほど、3を引くのは頭を使う。

歩くと、セロトニンという脳内幸せホルモンがたくさん分泌される。

腸内細菌とか腸内フローラと最近よく言われるが、体内の免疫システムの7割が腸にあるのです。そして、腸と脳とは情報を交換している。それに免疫システムも絡んでいる。いわば腸が脳をコントロールしているのです。

余談ですが、一国のリーダーである安倍晋三首相は、潰瘍性大腸炎という持病をおもちです。潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる病気。腸内環境がかなり悪くなっていると考えられます。ということは脳内ホルモンのバランスにも悪影響がを及ぼしているはずなので、余計なお世話かもしれませんが、政治判断に影響が出ないか、一国民としては心配です。

と、危惧していますが、ピンポンで当たりでしょう。潰瘍性大腸炎のために憲法を変えるという判断ができてきた?ブラック・ユーモアにならないとも限らない。

がんとの関係でも、歩けば免疫系のT細胞が活発になることが知られています。
ミクロの大冒険

運動をすることで免疫力を高めることができるのです。わずか5分の強い運動だけでも、免疫細胞が活発に動くことが分かっています。これは筋肉から分泌される物質が免疫細胞を活発化させるためです。

免疫細胞と脳・神経系は、ホルモンを使って活発に情報交換をしています。心の有り様が免疫細胞の活性化に影響を与えているのです。したがって、免疫システムを活発にするためには、「心の平安」と「運動」が重要なのです。食物やサプリメントは、これらに比べれば影響力は小さいと言えます。十分な睡眠と地中海料理などの健康的な食事をすることです。

がん患者は、心を穏やかに過ごし、適度な運動を心がけることがもっとも効果的です。ともかく、歩け、歩け、です。間違っても、安保徹の「免疫理論」や済陽高穂らの「ジュース療法」に騙されないように。

話題の免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞によってT細胞が働かなくされたスイッチを再びONにすることでT細胞ががん細胞をやっつけるのですが、運動することによって、T細胞を活発化させ、加齢によって弱った胸腺から元気の良いT細胞を補充することにもなるのですね。つまりがんと闘う兵隊を増員する。

がんの予防にも、がんになった人は再発のリスクを減らし、抗がん剤の効果をより引き出すためにも、歩くことです。

ただし、ハードな運動は「活性酸素」を増やしすぎてしまって、かえって免疫力を下げることもわかっています。何ごとも適度に「ほどほどに」が大切ですね。

ところで、著者の長尾先生ご自身は、余る歩いていないことを白状して、今後は本に書かれたことの6割を目標に頑張りたいそうです。


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今日の一冊(30)『病気の9割は歩くだけで治る』” に対して1件のコメントがあります。

  1. マツザワ ヒサシ より:

    お世話になります
    毎日歩くことを心がけています
    歩数は、少ないので早歩きするようにしています
    [E:#x1F605]

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