今日の一冊(43)『娘はまだ6歳、妻が乳がんになった』がん患者の障害年金

娘はまだ6歳、妻が乳がんになった―ドキュメント「妻ががんになったら」

娘はまだ6歳、妻が乳がんになった―ドキュメント「妻ががんになったら」

桃山 透
770円(04/27 04:31時点)
発売日: 2016/02/11
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プレジデントに連載されている『妻ががんになったら』を書籍化した本ですね。<連載一覧>

乳がん検診から1年半経ってからのことです。そのときには再検査の結果、近所の病院の医者から「水が溜まっているんでしょう。次回の乳がん検診は3年後でかまいません」といわれていたのに、右乳房のしこりと痣が気になって病院に行き、「乳がんの疑いが強い」ということで病理組織検査をする。医者はリンパ節にも転移していて「最悪」の状態だという。

ここから「ダメ夫」の奮闘が始まるのだが、ネットでがんの情報を探すよりは、妻の代わりに家事に専念した方が良い、と考える。あれこれ代替療法を探してサプリメントにお金をつぎ込むよりは良いだろうと。

著者の桃山透さんはフリーのライターであって、自分では「妻の医療費すら十分に工面できないダメ夫」と自認している。

再発転移し、抗ガン剤の副作用で髪の毛も抜け落ちて落ち込んでいる妻に、乳がんの患者会で言われたひと言、「落ち込みすぎても、抜け出す方法が分かっていれば、抜け出せる」が大きな救いだった。

治療費を工面するために、障害年金を申請するのだが、「あなたはまだ末期ではなく元気で働ける」と却下され、仕方なくパートに出ることになる。

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ダメ夫さんはここで諦めてしまうのですね。ネットでの調査を嫌っているから、正しい情報にたどり着けない。しかし、進行がん患者はみんな受給する権利があります。

がん患者でも確かに障害年金をもらうことはできるが、結構ハードルが高いようです。しかも、都道府県によって判定に地域差があると報じられています。

障害年金判定に地域差 12年度不支給率、佐賀は最高

不支給率は栃木県の4.0%に対して、佐賀県は22.9%です。

がん患者の障害年金については、

  1. 申請は、がん発症から一年半経過していなければならない。
  2. がんの再発・転移者であり、根治がこんな状態であること。
  3. 厚生年金に加入している人は、障害認定3級から支給されるが、国民年金加入者は、2級からである。

ですが、よりわかりやすく解説された記事もあります。記入例まで書かれていて、非常に参考になる記事です。

  • がん患者さんにぜひ利用して欲しい「障害年金」
    身体の機能が働くことに制限を受けたり、日常生活に著しい制限を受けるような状態となっている場合、あるいは、働くこと自体が日常生活に著しい制限を加えるような状態を示します。
  • 障害年金を受けるための交渉術
    障害年金申請の際に重要となるのは、申請者自身が記入する「病歴・就労状況申立書」と主治医の記入する「診断書」です。これらの書類で、がんによる障害によって、患者さんが携わっている仕事を遂行する能力、つまり就労能力が発病する前後でどれだけ低下したかを具体的に示す必要があります。
  • 社会復帰をするためにも公的制度を上手に活用しよう
    持家、車などを失わずに生活保護を受給できた例

桃山さんの奥さんの状態なら、受給できる可能性が高いと思われます。

まず、医者がこの制度をよく知らないのですね。知っていても面倒なのか、身体障害の診断書と勘違いしているのか、「書けません」などと言う。

社会保険労務士でも知らない場合があるからやっかいです。まだほとんど認知されていない制度です。

どうしても困った場合は、NPO法人障害年金支援ネットワークにお問い合わせを。

 
 

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