臨床試験(治験)の探し方(1)
予後の厳しい膵臓がんでは、医師から「標準治療ではもうできることがありません。あとは緩和です」と言われる方が少なくありません。
しかし、諦めきれない。まだこんなに元気なのに何もできないのか? その結果、巷の怪しげな代替医療に走る患者も出てきます。
「臨床試験(治験)」という選択肢を考えてみませんか
でも、その前に「臨床試験(治験)」という選択肢を考えてみませんか。ということで、「臨床試験(治験)」の探し方を考えてみました。
臨床試験と治験の違いは、簡単に言えば、治験とは「新薬開発」の為の「治療を兼ねた試験」、「臨床試験」は患者さんや健康な人に対して行う「治療を兼ねた試験」が主となり、新薬の開発の目的だけではない。治験は臨床試験に含まれる(治験⊆臨床試験)ということです。
患者向けの治験情報サイトには以下のものがあります。
② がん情報サービスの「がんの臨床試験を探す」
探し方
①の臨床研究情報ポータルサイト では、フリーワード検索が可能なので、膵臓がんを対象とした治験を検索することができます。
さっそく「膵臓がん」と入れて検索してみます。12件ヒットしました。
そんなに少ないはずはないよなぁ?
キーワードを「膵癌」に変えて検索すると、258件ヒット!
医師は患者の前では「膵臓がん」といいますが、医者同士や学会発表では「膵癌」が普通に使われています。キーワードは「膵癌」と入れる方が良さそうです。
「膵癌」の検索した結果を見ると、ヒットしたキーワードはピンクに表示されているのですが、「膵臓癌」「膵頭部癌」「膵がん」「膵悪性腫瘍」などがあります。一応はお利口に検索してくれているようです。
右の「進捗状況」の選択肢が、意味が解らないなぁ。「試験継続中」には申込ができるの?「参加者募集中」と「一般募集中」の違いは?
- 「一般募集中」は(参加医療機関受診により、基準を満たせば被験者となれる)
- 「限定募集中」は(参加医療機関受診中の患者が、基準を満たす場合に被験者になれる)
試しに「膵癌 OR 腹膜播種」と入れて検索しましたが、結果はゼロ。AND検索にもOR検索にも対応していません。使いづらいですね。
さて、この検索結果を基にして、都道府県別に見たい。「東京都」を選択すると、
「進捗状況」も「年齢・性別」もリセットされて、「試験終了」のものも表示されてしまいます。やはりお利口ではないですね。
いま話題の「オプジーボ」で膵がんの治験はないのか、探してみましょう。
商品名の「オプジーボ」で検索したら、一般名の「ニボルマブ」「Nivolumab」もヒットしました。ここまではお利口。しかし、残念ながら「対象疾患名」には膵癌はありませんでした。
さらに、「腹膜播種」で検索してみました。検索結果は56件。ここから対象疾患が「膵癌」を探すためには、画面の全文検索(CRL+F)で「膵癌」と入力します。5件ありました。
おバカなところは、工夫して賢く使えばよいのです。
気になる治験が見つかったら、リンクをクリックすれば詳細が表示され、より詳しい情報はUMIN、JAPICに飛んでいくようになっています。ほとんどがUMINですが。