がんのイメージ療法-サイモントン療法

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がんのイメージ療法

最近はサボっていますが、膵臓がんの手術後から5年目頃までは朝晩2回、ときには昼食後もイメージ療法を行なっていました。サイモントン療法です。

サイモントン療法は、米国の放射線腫瘍医で心理社会腫瘍医であるカール・サイモントン博士により開発された、がん患者さんとご家族(または支援者) のための心理療法です。 近年では、がんのみならず、ストレスに起因するさまざまな病気に対してサイモントンのプログラムが提供されています。

米国にて、学会認定の放射線腫瘍医として、がん治療の第一線で活躍していたサイモントン博士は、臨床で患者さんの治療を重ねるにつれ、診断と治療が同じでも、成果が出て健康を取り戻す患者さんと、全く成果が出ずに死を迎える患者さんとに分かれるという矛盾に直面します。
ここで、患者さんの精神・心理状態、またそれにともなう生きる姿勢が、病気や治癒の過程に影響を与えることを認識します。希望をもって治療や日常生活に取り組む患者さんと、絶望感に苛まれながらそうする患者さんとのあいだに、大きな回復の差を見たのです。その後、がんと心の関係に関する研究を行い、そのことを実証しました。
NPO法人 サイモントン療法協会のホームページより)

『念じるだけでがんが治るなんて、迷信だろう』と思われるかもしれませんね。しかし、一応のエビデンスのある代替療法です。

ヒトが脳で何かを感じるというとき、神経細胞は化学反応によって情報を伝達するのです。そしてさまざまなホルモンや情報伝達物質が複雑に連携して、脳からは遠く離れた器官にも影響を与え、細胞を活性化させたり、脈拍を速くしたり、血圧を上げ下げします。右手を動かそうと思えば<念じれば>右手が動くのであり、他人の右手が動くわけではないのです。念力ではなく自分の意志で自分の身体の一部を動かす、当たり前のことです。

プラシーボ効果が存在するということは、「心」が身体に作用することができということであり、医学はその事実を認めているわけです。医師法にも、暗示的効果(プラシーボ効果)を期待し、処方箋を発行する事がその暗示的効果の妨げになる場合に、処方箋を処方する義務がないと規定されています。

[ 処方箋の交付義務 ]
第22条  医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当っている者が処方せんを必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。
一 暗示的効果を期待する場合において、処方せんを交付することがその目的の達成を妨げるおそれがある場合

たくさんのがん患者を診ている医者は共通して、がんが治癒に向かう患者には、前向きであり、楽天的であるなどの性格的特徴があるといいます。待合室で大声で笑い、他の患者を励ましたり、相談に乗ったりしている患者はやはり長生きしているのだと。

プラシーボで治って何が悪い

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がん患者にとってはプラシーボだろうがなんだろうが、治りさえすればよいのです。いえ、逆に上手にプラシーボ効果を引き出して治ればよいでしょう。そうして何が悪いのでしょう。心が身体の免疫系に影響を与えることを信じて(これはもう科学的事実だと言ってもよいのだから)、大きなプラシーボ効果を引き出すこと。

私がお世話になったのは、川畑伸子さんの『サイモントン療法――治癒に導くがんのイメージ療法』でした。(実際は改訂版の前のもの)

付属のCDを携帯プレーヤー、スマホなどにコピーすればどこでもイメージ療法をすることができますね。

マインドフルネスも同じようなものですが、がん患者にはこちらの方が効果が感じられるかもしれません。


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がんのイメージ療法-サイモントン療法” に対して4件のコメントがあります。

  1. キノシタ より:

    ババリーナふじこさん。
    すばらしい体験ですよね。
    やってみれば誰でもすぐに精神の安定を実感でき、がんへの効果も(たぶん)あるはずなんですが、どうもみなさん、物質的な代替医療を追求しがちですね。食事療法も運動療法も大事だし、サプリメントもきちんと選べば悪くはない(プラシーボ効果くらいはある)と思うのですが、それ以上に心の平安が効果的なんですが。
    「エピジェネティクス・イメージ療法」いいですね。がん細胞が大きくなる一方という多段階発がん説に対して、エピジェネティックに「小さくなる」ことも仮説としてあり得るのですから。
    がんの遺伝子を、腕をシャツの袖で覆うようにして、メチル化などの分子が覆って発現しなくなる・・・そんなイメージも思いつきます。

  2. ババリーナふじこ より:

    2012年7月23日(月)、私は地元(熊本)のとある歯科医院に電話をかけました。そこでは繊維筋痛症の治療を行っており、院長夫人がサイモントン療法インストラクターとして患者さんを支えておられます。
    「2か月後に膵頭十二指腸切除術を受ける予定で、現在抗がん剤を服用しています。自分流のイメージ療法をやっているのですが、なにか助言をいただけるとありがたいと思って・・・」突然の電話にもかかわらず、丁寧に応対して下さいました。
    そして、《マシンガンでダダダダッと癌をやっつける》などというイメージには抵抗があると言う私に対して、「多くの日本人はそう感じると思います。例えば女神様を小さくして体の中に入れ、患部を優しく撫でていただく、などという方法もありますよ」と助言してくださいました。そして、「あなたは声もしっかり出ているし、よい結果になりそうな気がします」と励ましてくださいました。
    さっそく、女神様の代わりに我が相方をミクロサイズ化し、スマイルレンジャー(ただし、バトルスーツではなく、中国武術の黒パンツ着用)として活躍してもらいました。その3年後、ある代替医療研究会でお目にかかった時の彼女の反応。「まあ、なんということでしょう!」を連発。お便りは何度か差し上げていたものの、初対面の私が思った以上に元気に見えたものと思われます。
    その後、私のイメージ療法は進化を続け、今ではエピジェネティクスイメージ療法として完成(?)しました。今でも時々、なかなか寝付けない夜や、病院の待合室で行っています。10月17日で術後まる5年。今日は久しぶりにやってみようかな-・・・

  3. キノシタ より:

    プラセボの効果は3割。このブログでは何度も書いていますが、一般には認知度は低いですね。
    新薬も一般に使われ出すと、臨床試験の効果よりも悪くなるのはプラセボ効果が薄れるのも一因でしょうね。RCTでもプラセボ効果は完全にはなくせないわけですから。

  4. 金魚 より:

    昔、がん看護を勉強していたころ、夢中になりました~
    がんをぱくぱく食べるイメージ!
    実は、プラセボは3割の改善率がありますが、普通薬剤で3割改善といえば軌跡の薬です。
    まあ、業界の人しか知らない話しですけどね。。。
    薬盛られすぎで、最近飽きてきましたわ。

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