桜の甲州路、写真の旅(1)
桜の時期が来ると、さて今年の桜はどこに行こうかと思い巡らすのだが、実際には、休みの取れる日に見頃になっているところを探すことになる。今年は長野あたりかと考えていたのだが、開花が予想以上に早くて、山梨県内を巡ることになった。
- 身延山久遠寺の枝垂れ桜
- 王仁(わに)塚の桜
- 神代桜
- 清治芸術村のソメイヨシノ
- 慈雲院の糸桜
を計画しました。
午前一時に出発して、帰宅が午後八時半。
歩いた歩数:14,320歩、運転距離:438km
身延山久遠院の枝垂れ桜
ここは2度目の訪問です。午前4時に到着。お坊さん用の第Ⅱ駐車場に入れるのが、撮影ポイントには一番近いです。
祖師堂前の枝垂れ桜は最盛期は過ぎていたが、まだまだ見頃です。同じ場所から、前回2013年に撮ったものをブログのヘッダー画像として使っています。
身延山久遠寺は日蓮宗の総本山で、日蓮の墓所もあります。5時半に太鼓が鳴り響き、総勢50人以上はいるかと思われる僧侶と信徒が廊下を行列して仏殿に入り、朝の勤行が始まります。私はそのお経をバックに聴きながら、撮影に没頭します。
報恩閣前の池には花びらが浮き、流れに渦を巻いて花筏を作っていました。
紅しだれは最盛期で、ボリューム感があります。
五重塔をバックに枝垂れ桜

朝日が昇ってきたので、逆光を浴びて、枝垂れ桜が七色に輝いていました。
王仁(わに)塚の桜
韮崎段丘の中央、こんもりと盛り上がった塚の中心にある一本桜で、樹齢約320年のエドヒガンザクラ。この塚は、「日本武尊」の王子「武田王」の墓とも言われるところから「王仁塚」とする説や、塚の形が鰐口ににているので「鰐塚」とする説など諸説があるそうです。
快晴なら、八ヶ岳や反対方向には富士山も見えるのですが、あいにく霞んでいて、右下に八ヶ岳がぼんやりと見えているだけでした。
実相寺に途中、韮崎市折居付近で農家の庭にみごとな桜を見つけました。ちょっと寄り道。
実相寺の神代桜
実相寺の神代桜は20年ほど前、多分最初の直腸がんをやったころと、2013年と行っていて、今回で3度目です。
そのときは花も少なく貧相でした。神代桜は樹齢約2000年といわれるエドヒガンザクラで、老齢化により枯死の危険性も指摘されていましたたが、4年計画で行ってきた土壌改良や枝のせん定などの樹勢回復作業が功を奏して、根や枝が成長するなど効果が表れてきたそうです。
その効果が出ているのでしょうか、ことしの神代桜がこれまでで一番みごとでした。
樹齢2000年とも言われる神代桜が、また元気を取りもどして花をつけ始めた。それに比べて人間の寿命は・・・とも思うが、桜は桜の法位を生きているのであり、人は人の法位を生きているのである。
生のときはただ生きよ。全力で生に仕えよ。余計なことは考えるな。死のときは、全力で死に仕えよ。生は生の全機現、死は死の全機現であるからしてそのまま受け入れよ、と道元は言うのである。
日本三大桜は、神代桜、三春の滝桜、淡墨桜といわれますが、実相寺の境内には、全国の有名な桜の小桜が植えられていました。三春の滝桜や淡墨桜の小桜もあります。
三大桜のうち、岐阜県根尾谷の淡墨桜だけは行ったことがないのですが、ここでその淡い花びらを見ることができました。
薄墨色が分かるでしょうか。ピンク系統の色がほとんどなく、主張をしない控えめな花ですね。
山門付近からは甲斐駒ヶ岳の山並みを背景に、たくさんの桜が競い合うように咲いています。
つづきます。