コーヒーを一日三杯以上飲んでいる男性は、膵臓がんにかかりにくい

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【日 時】2020年1月18日(土) 13:30~17:00(開場・受付:13:20ごろ)
【場 所】京急本線 京急蒲田駅東口から徒歩3分、JR蒲田東口から徒歩13分 大田区産業プラザ3階 特別会議室
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】1,000円(会場使用料及び資料代)
【定 員】 80名
【内 容】
●講演:押川勝太郎先生「がん治療の心得は登山と同じと知ってましたか?~トラブルを織り込んだ先読み能力が寿命を伸ばす~」
●患者さんどうしの情報交換会~フリートーキング

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一杯のコーヒーでリラックスできます。しかし、コーヒーの効能に関するもので、最も混乱するのがこの「膵臓がん」に関してです。

実際は、コーヒーは、膵臓がんにとって良いものでしょうか? 悪いものでしょうか?

1980年代に、アメリカの研究機関から「コーヒー」が 膵臓がんのリスクを上げるという調査結果が出されました。この研究結果により、長い間「 コーヒーの摂り過ぎ ⇒膵臓がん  」が常識とされてきました。

ところが、「コーヒーを一日三杯以上飲んでいる男性は、膵臓がんにかかりにくい。」

国立がん研究センター 予防研究グループによる多目的コホート研究(JPHC Study)による研究『緑茶・コーヒー摂取と膵がんとの関連について』があります。

緑茶・コーヒー摂取と膵がんとの関連について

コーヒーには、がん化を促進する、あるいは抑制する双方向の作用があると考えられ、膵がんに関しては、1980年代にリスクを増加させるという疫学研究の結果が発表されましたが、その後の研究では必ずしも同様の結果が得られていません。また、アジア人の集団を対象にした研究はほとんどありません。

今回の研究の結果、全体としては、コーヒーの摂取量によって膵がんのリスクが高くなったり、あるいは低くなったりという変化は観察されませんでした。ただし、男女別に見ると、男性のみにおいて、ほとんど飲まないグループに比べ、よく飲むグループほどリスクが低くなるという傾向が見られました。

具体的にはコーヒーを1日1~2杯以上飲む男性は、膵臓がんにかかるリスクが、ほとんど飲まないグループより低かった。1日3杯飲む男性の危険度はさらに低かった。この結果から見る限りでは、コーヒーをよく飲む男性ほど、危険度が下がる傾向がうかがえるというものでした。

この調査結果は、コーヒーががん抑制効果をはっきり持つと示しているわけではなく、コーヒーのどの成分ががんリスクと関係しているかを明示してもいない。「コーヒー=がん抑制」と直結して考えるのはいささか早とちりと言われそうです。

結腸がんとの関係

厚労省研究班の別の調査では、コーヒーを1日に3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない人に比べ、結腸がんにかかるリスクが約半分に下がるという結果が出ている。女性で結腸がんができるリスクは、1日に3杯以上飲む人の方が、ほとんど飲まない人と比べて56%低かった。男性には顕著な関係性は見付からなかった。男性は喫煙や飲酒といった、コーヒー以外の要因が大腸がんの発症と関係している可能性があるという。

肝臓がん

コーヒーを1日に5杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、肝臓がんの発病率が約4分の1に低下するというデータも、厚労省の研究班がまとめた調査結果だ。ほとんど飲まない人の発病率を「1」とすると、毎日1~2杯飲む人は0.52、3~4杯は0.48、5杯以上は0.24となり、調査の範囲では「多く飲む方が発病しにくい」という傾向が見られた。数字を仮にそのまま当てはめれば、コーヒーを毎日1杯以上飲む人は肝がんにかかるリスクが半減していることになる。

コーヒーを飲む人に肝臓がんリスクが下がる傾向があるという調査結果は、その前に東北大学の研究チームも発表している。この調査では、コーヒーを1日に平均1杯以上飲む人が肝臓がんになる危険性は、全く飲まない人の6割程度という数字が出た。

これら2つの調査結果も、コーヒーのどの成分が直接的にそれぞれのがん防止に効果を発揮するのかを明らかにはしていない。統計的に見て因果関係がうかがえるという程度の分析であり、「コーヒーが○○に効く」という短絡的な思いこみは禁物だ

マイナス面

コーヒーには健康上のマイナス面もある。カフェインは交感神経の働きを活発にするので、血圧や脈拍が上がりやすくなる。血管系の重い病気を患っている人は避けるのが望ましい。妊娠中の女性も飲み過ぎは禁物だ。もちろん、眠気を抑える働きがあるので、不眠を誘うおそれもある。

全日本コーヒー協会のサイトでは、ほかにも、心臓の拍動を高めて血流を良くする効果や、腎臓の働きを活発にして、老廃物の排泄を進める作用、二日酔いに伴う頭痛を和らげるメリットなどが紹介されている。しかし、ストレスの多い現代人にとってやはり一番ありがたいのは、コーヒーの香りがもたらすリラックス効果だろう。ストレスはあらゆる病を助長する源。ふくよかな香りとまろやかな味わいでストレスから解放される一瞬は万薬にも代え難い。

別のコホート研究では

一方、文部科学省の科学研究費の助成を受け、青木國雄名古屋大学教授(当時)を中心に多施設が協力し、約12万人の一般の方々の協力を得て、最近の日本人の生活習慣ががんとどのように関連しているかを明らかにすることを目的としたコホート研究「JACC Study」では、

「生活習慣と膵がん死亡との関係」(林櫻松)において次のような結果を発表しています。

コーヒーについても、飲むことで膵がんになりやすくなるという因果関係を支持する結果は得られませんでした。しかし、1日4杯以上飲む人では、飲まない人に比べ膵がん死亡リスクが有意に上がり、男性では3.1倍膵がんで死亡しやすいことがわかりました(図2)。大量のコーヒー飲用は膵がんリスクを上げるかもしれない言えそうです。

このように、いっけん相反する研究結果が出ていて、コーヒーとすい臓がんの関係は、「まだ研究途上の段階にあり、確たることは言えない」ということでしょう。ただし、リスクを示す研究が出ている以上あまり飲みすぎないほうが「安心」だとは言えるかもしれません。

全死亡率との関係

本当に膵臓がんのリスクが高まるとしても、もしかしたらコーヒーには別の病気の予防効果があり、全体としてみたら良い影響をもたらしているかもしれません。

同じく「JPHC Study」の『コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について』によれば、

岩手県から沖縄県までの男女9万人(当時40歳~69歳)を調査した結果、コーヒーをほとんど飲まない人のリスクを1とすると、1日3~4杯飲む人は0.76と下がっていました。

コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことが分かりました。さらに、飲む量が増えるほど危険度が下がる傾向が、統計学的有意に認められました(図1)。研究開始から5年以内の死亡例を除いた場合や、男女別の場合も検討しましたが、コーヒーと死亡リスクとの間には同様の関連がみられました。

 

研究チームは、「コーヒーに豊富に含まれるクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)やカフェインによって病気が予防されたのではないか」と推測しています。

コーヒーと死亡リスクとはどう関係しているのか

なぜコーヒー摂取で死亡リスクの低下が見られるのでしょうか。第一に、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値を改善し、血圧を調整する効果がある上に、抗炎症作用があるといわれています。第二に、コーヒーに含まれるカフェインが血管内皮の機能を改善する効果があるとされています。また、カフェインには気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果があるのではないかと言われています。これらの効果が、循環器疾患や呼吸器疾患死亡につながる危険因子の調整に寄与しているのかもしれません。

結論としては、現段階の研究からは「コーヒーは、一般的な量(1日1-4杯程度)であれば、健康に良い可能性がある」。ただし、1日5杯以上飲むようなケースでは、ややリスクがあがるかもしれない。

なにごとも「ほどほど」が良いということでしょう。コーヒーだけではなく、他の食品についても「多く摂れば健康に良い」はまちがった考えです。


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