腹膜播種を伴った膵癌でも手術できることがある

膵臓がんが転移をして腹膜播種を生じた場合は、通常は手術を適用はできません。

しかしがん治療にはいつも例外があります。ですから、あきらめないで治療を続けることが大切です。

こちらは青森市民病院の開始に載った症例です。

切除境界性膵癌と診断された後、アブラキサン&ジェムザールで術前化学療法を2コース施行し、腫瘍の縮小が認められたため手術を行いました。しかし腹膜播種があったため試験開腹となり中断。その後FOLFIRINOXを17コース施行後、腫瘍の更なる縮小があったのでコンバージョン手術を行いました。

症例は67歳、女性。膵頭部癌および周囲臓器への浸潤あり、切除境界膵癌と診断。術前化学療法(Gem+nab-PTX)を開始した。計2コース施行した時点で画像上、腫瘍の縮小が認められたため、手術施行した。しかし、腹膜播種結節認め、迅速診断にてadenocarcinomaとなり、試験開腹となった。術後に二次化学療法として、FOLFIRINOX療法を開始した。9か月間、計17コース施行後の造影CT検査にて、主腫瘍のさらなる縮小、FDG-PET検査にて腹膜や肝臓を含め異常集積を認めなかったため、Conversion Surgeryとして、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。病理所見では、化学療法による線維化を認めたのみで、膵頭部を含めて異型腺管などの所見はなく、根治切除と判断した。現在、術後化学療法中であるが、術後9か月無再発生存中である。腹膜播種を伴っていても、化学療法が奏功し、Conversion Surgeryにて根治切除が可能となり、長期生存が得られる可能性が示唆された。

青森市民病院医誌24巻

67歳の女性でFOLFIRINOXを17コースというのは、ご本人も相当頑張ったんでしょうね。


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