ASCO 2009 膵臓癌関係の発表

ASCO2009も終わったようです。今年はすい臓がんに関するビッグニュースはなさそうですが、パンキャンによると74題の演題があったようです。

  • 術前・術後補助化学療法     7
  • 局所新興膵癌                  12
  • 進行膵癌(1st Line)          32
  • 進行膵癌(2nd Line)           3
  • 免疫療法                         2
  • 治療効果・予後予測          10
  • 腫瘍マーカ                        4
  • 研究                                4

との内訳が出されていました。

ASCOの今年のテーマは「がん治療の個別化」で、ASCO会長のオープニング基調報告では、がん治療のオーダーメイド化(個別の患者にあった治療法を選択する)を訴えています。
「がん患者は、一人一人が生物学的・臨床的に異なり、また、社会的・経済的にも異なるなかで、すべての患者をひとつの方法でマネジメントすることは適切ではない」。新しい診断ツールにより、患者の薬物代謝など予後に関連する特性で容易に分類できるようになったことが指摘された。こうした薬物代謝の違いは遺伝的な多様性からきていることもわかってきた。血液検査を行うことで、副作用が少なく、予後が改善される治療へと患者を誘導することが可能だ。

年齢や性別、がんの進行状態に関わりなく、一律に抗がん剤を投与して副作用で苦しませる治療方法は、もはや見直されるべきだということでしょう。がん患者個別の状態に応じた『さじ加減』が必要だということです。こんなことは本来当たり前のことであり、これまでの「標準的抗がん剤治療」が患者の立場に立っていなかったということです。日本での今後の治療法にも影響することを期待したいと思います。

膵臓癌に関する発表では以下のものが注目されます。

  1. このブログの4月21日で紹介したセレンクリニックの樹状細胞療法がASCO2009でも発表されています。「The 2009 ASCO Annual Meeting」参加のご報告 ~膵がんに対する樹状細胞ワクチン療法について報告~
  2. 膵がん術後の補助化学療法、ゲムシタビンと5-FU/FAの間で生存期間に差なし (がんナビ)
  3. ESPAC-3(v2) 試験:膵管腺癌切除後患者において術後補助化学療法としての5-FU/LV療法とgemcitabine療法を比較する国際的多施設共同非盲検無作為化第III相試験
  4. 進行膵臓がん患者に第一選択薬とエノキサパリンを併用で静脈血栓塞栓症リスクが有意に低下  (がんナビ)
  5. 進行膵癌に対する化学療法±低分子量ヘパリン(エノキサパリン)同時併用のランダム化比較試験: CONKO 004試験

2と3、4と5は同じ発表のリンク先が違うものを挙げてあります。


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