ロハス・メディカル 「がんワクチン、なぜ効くのか」

ロハス・メディカル12月号に「がんワクチン、なぜ効くのか」と題した、がん研有明病院消化器内科ペプチドワクチン療法担当副部長の石井浩 医師が監修した記事が載っています。がん研には「ペプチドワクチン療法担当」の部長さんたちがいるのですね。知りませんでした。明後日の定期検査の時に主治医に訊いてみよう。

がんのワクチン療法に関する長所と短所、WT1、樹状細胞療法、今後期待される「がんの増殖に必須な分子由来のがん抗原」に注目したワクチン=エルパモチド(OTS102)にも言及してます。がんワクチンの現状の全体像を把握するには良い記事です。

 実際、ペプチドワクチンは実用化に向けて様々な医療機関で臨床試験が行われています。
例えば現在、日本で開発が順調に進んでいるのが、「エルパモチド」(開発コードOTS102)です。効果が認められれば、世界初のがん治療用ペプチドワクチン誕生となる可能性もあります。当面、適応が予定されているのは、生存率が低く克服することが難しいすい臓がん。胆道がんの臨床試験も進んでいます。副作用はほとんどないとされ、その実力に期待がかかっています。(なお、エルパモチドは厳密には、がん特異的タンパク質を標的にしているのではありません。

 

がん特異的なタンパク質と一口に言っても、実際にはさらに2通りに分けられます。

  • がんになった結果として現れてきただけで、がんの増殖に必須ではない分子
  • がんの増殖に必須の分子

従来のがんワクチンは、この両者を区別せずに開発が進められてきました。しかし、がん特異的タンパク質は変異によって発現が低下し、傷害性T細胞の攻撃を逃れてしまうことがあり、それをコントロールするのは困難です。前者を狙ったがんワクチンだと、その場合、目印を失うことになります。一方、後者の「がんの増殖に必須な分子(由来のがん抗原)」を標的としたワクチンの場合、発現しなければがんも増殖できずに自滅してしまいますし、発現すれば細胞傷害性T細胞にやられることになります。

このように、がん細胞から標的分子が消えて細胞傷害性T細胞による治療効果が発揮できない事態がありえる、という従来のがんワクチン療法の短所を補う方法として、「がんの増殖に必須な分子由来のがん抗原」が注目されているのです。

そして実は、先にご紹介したエルパモチドも、同じく従来のがんワクチンの短所を補うことが可能です。というのも、がんそのものではなく、がんに栄養を供給するのに欠かせない新生血管に特異的なタンパク質を標的としたペプチドワクチンなのです。新生血管に対する強い免疫反応を誘導して、がんの増殖を妨げます。これならば、がん自体に変異が生じても標的が失われることはありません。

ロハス・メディカルの他の「がん」関連紙面アーカイブにも注目です。「がん きのんのき」「抗がん剤はなぜ効くのか」など。

一方、がんナビには「全粒穀物の食物繊維が大腸がんを防ぐ」という記事が載りました。

また、海外癌医療情報リファレンスには「高血糖は大腸癌リスクを高める」との記事が。

どちらも大腸がんに関するものですが、私が注目するのは、全粒穀物と血糖値ががんに及ぼす影響です。大腸がんに関係するのなら、他のがんにも関与しているはずです。


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