膵癌ステージⅣの映像作家として賞を受ける
嬉しいニュースがあります。
ステージⅣの膵頭部がんで、手術はできて現在治療中の方です。これまで『膵臓がん患者と家族の集い』には二度参加されています。前回の森省歩氏の丸山ワクチンの講演にも、丸山ワクチンに関する情報が欲しいということで参加されました。
この方はコンピューター・グラフィック関係のお仕事をされていますが、この度、映像作家を対象とした有名な賞を受賞されたそうです。
個人情報に属することなので詳細は記せませんが、化学物質の濃度と拡散をコンピューター・プログラミングし、その系が音によって様々に変化するようすを画像化、シミュレーションすることによって映像を作ったものです。
実は、この方のお母様が積極的な方で、毎回必ず「膵臓がんの集い」に参加しては情報を集め、患者である息子さんに情報を伝えて、ステージⅣでも可能な治療法を模索して来られました。
息子さんの方は、これまで標準治療以外には関心を示さなかったのですが、お母様のそうした努力もあって、前回の丸山ワクチンの講演会には積極的に参加をされたのです。また地元で丸山ワクチンを打ってくれるクリニックも見つかったと連絡がありました。
丸山ワクチンに効果があるのかどうか、それは分かりません。また標準治療だけで治療するという考え方も、あながち否定はできませんが、希望を持って前向きに闘病するという姿勢は、がんの治療において大きな影響を与えるはずだと思います。
ステージⅣで膵臓がんと闘病しながら、仕事において立派な賞を受ける、これが治癒に向けた大きな励みとなるに違いありません。
患者同士の集まりから得られることは癒しです。そして、癒されることによって希望が芽生えてきます。癒し(ヒーリング)はまた、人間における全体性を育成することができるのです。人間は肉体的に健康になっても、感情的・心理的・精神的に健康になれない場合もあります。また感情的に健康になれても、肉体的に健康になれない場合もあります。
がん患者にとって最も悪いのは孤独感です。健康な人たちから隔絶した孤独感は、抗がん剤治療と同じように苦痛であり、がんそのものと同じように苦痛です。
孤独感はネガティブな感情や無力感を生みやすく、ネガティブな感情と無力感は、がんと闘うための免疫力を下げます。孤独感ではなく仲間との連帯感、そしてやりがいのある人生、これががんとの戦いに有利に働かないはずはありません。
『膵臓がん患者と家族の集い』では、様々な治療法の情報を提供するだけではなく、仲間とつながっている感覚と、癒しと希望を与えることができる場でもあるのです。