膵臓がん死亡者数が胃癌を抜いて第3位に
今月17日に公表された「人口動態統計2023年」(確定数)では、がんの種類別年間死亡数で、1位の肺がん(7万5762人)、2位の大腸がん(5万3131人)に次いで、膵臓がん(4万175人)が胃がん(3万8771人)を抜いて3位になりました。
ピロリ菌検査が普及したおかげで、胃がんは減少傾向にあります。
第7表死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対) [136KB]
世界的に見ても膵がんの患者数は増加傾向にあります。
ではどういうことに気をつけて、早期発見に結びつければ良いのでしょうか。
第1番目には糖尿病です。糖尿病患者が膵癌になるリスクは1.7~1.9倍ですが、発症して1年未満ですと5.4倍となります。血糖値が急上昇した場合は気をつけるべきでしょう。
私の場合は境界型の糖尿病でしたが、急激に血糖値が上昇し、急いで 造影 CT を撮った結果、膵臓癌の発見につながりました。17年前の話です。幸い手術は可能だったので今でも生きながらえています。
2番目には家族歴です。「家族性膵癌」は、親子または兄弟姉妹に2人以上の膵癌患者さんのいる家系の方に発症する膵癌です。家族性膵癌家系の人は一般の人よりも膵癌になるリスクが高いことが知られています。その人数が増えるほどリスクが高く、1人は4.5倍ですが、3人以上だと32倍です。
3番目は慢性膵炎などの膵臓の病気です。慢性膵炎があるとリスクは13.3から16.2倍に跳ね上がります。嚢胞があると3.0から22.5倍になります。膵管に異常があると6.4倍となりますから、膵臓の異常は決して軽視してはいけません。
血液型も影響します。O型はA、B、AB型に比べて膵臓がんになりにくいといわれています。
これらのリスクに該当すると思われる方は、定期的に腹部エコー検査を行うと良いでしょう。膵炎や家族歴などからリスクが考えられる人は超音波内視鏡、CT や MRI 検査が勧められます。