緩和ケア「想定外のことばかり」

Photo

今年も沢山ご訪問くださり、ありがとうございました。来年は膵臓がんに、免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が使えるようになり、光免疫療法の治験が始まる、そのような初夢を見たいと思います。

緩和ケアの探し方

昨年の記事ですが、『緩和ケアの冊子-ホスピスの探し方など

20171231001

で、緩和ケアの冊子を紹介しました。

想定外のことばかり

冊子を作成された前田典子さんが2017年9月17日に亡くなられました。

緩和ケアの情報を集めて冊子まで作られた前田さんですから、ホスピスへの入所も用意万端、終末期医療を存分に受けられたのだろうと思いきや、「想定外のことばかり」だと言います。

毎日新聞 医療プレミア「がん・ステージ4からの眺め 緩和ケア情報、後に続く人へ

前田さんは、取材のためにシミュレーションをし、すでに最期を過ごす病院を決めていた。しかし、ここに入院するまでの道のりは遠かった。「現実は、想定外のことばかりでした」

まず脳転移の放射線治療後、ここまで急激に体調が悪くなるとは思わなかった。食欲がなくなり、退院して約1カ月後、1週間で体重が7キロ落ちた。ちょうど遺言書を書き終えた頃だった。ベッドでぐったりした前田さんを友人が見つけたが、「あのまま死んでいてもおかしくなかった」。

その後、要介護2の認定を得て訪問介護を受けたが、1人暮らしでは無理がある。決めていた最期を過ごす病院への入院には、主治医の明確な指示が必要だ。主治医とは信頼関係で結ばれていたが、「病状を少し軽く見ていたようだ」(池谷さん)と、すぐに入院できなかった。

また緩和ケア病棟に入るには「親族を伴った面談」が必要となる。前田さんには幸い、都内においがいたが、近くに親族がいない人も多いはずだ。「友人では力になれない。緩和ケアについてあれほど調べたのに、考えが甘かった」と池谷さんは肩を落とす。

結局、準備していたにもかかわらず、前田さんが緩和ケア病棟に移れたのは、急激な体調悪化から1カ月以上後だった。「こんなにハードルがあるとは思わなかった。これからは、緩和ケア医が主治医と対等な立場になり、患者をスムーズに誘導してほしい」。前田さんは、後に続く患者のためにかすれる声を絞り出す。

「想定外」を想定して、入念な足を使った調査と、シミュレーションが必要ですね。そして、いつまで抗がん剤を続けるのか、止め時を決めておくことが大事です。でないと、いつまでも希望に執着し、緩和ケアへのスムーズな移行ができなくなります。

  • 患者が希望すれば、当然、緩和ケアの専門家に紹介してくれるものだと思っていました。でも、それがうまくいっていない。
  • 患者が受けたいと言っても、「緩和ケアはまだいいよ」と主治医が言ったら、それでおしまいです。緩和ケア科は、紹介状がないと予約も取れないところが多い。
  • 精神面なども含めた全人的ケアは理想ですが、今の日本ではそのようなケアを期待できる施設は、あまりありません。

「がん情報サービス」でも「緩和ケアは、がんが進行してからだけではなく、がんと診断されたときから必要に応じて行われるものです」と言いますが、現状では、その必要性が医療者に浸透しているとは言えません。「がん相談支援センター」も充分にその機能を果たしているとは言えず、病院内の緩和ケアチームにおいては、1人の看護師が奮闘しているだけという病院が多く存在します。

緩和ケアフローチャート

「がん患者のための緩和ケアの受け方」より、フローチャートを転載します。

20171231002

緩和ケアに関する情報源


膵臓がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 膵臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です