今日の一冊(120)『オリジン』我々はどこから来たのか?

ゴーギャン:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
昨日は、大田区平和都市宣言記念事業「花火の祭典」が多摩川の河川敷で行われるはずでしたが
台風の影響による激しい雨が予想されたので中止となりました。花火を撮影するべく準備を整えていたのですが残念です。
時間もできたので、ダン・ブラウンの『オリジン』を読み通しました。
ITとAIとシンギュラリティを絡めたダン・ブラウンの最新作です。
天才科学者でプログラマーのエドモンド・カーシュが、人類の起源と未来に関する最大の謎を解いた。
「我々はどこから来たのか。我々はどこへ行くのか」
神が生命を創造したという宗教にとっては、脅威となる発見だという。結局カーシュは、新発見を発表するプレゼンテーション中に暗殺されるのだが、そこからラングドン教授と美貌の見術間官庁であり、スペイン王子の婚約者であるアンブラ・ビダルの逃走劇が始まる。
それを助けるのが、ハーシュがプログラミングした人工知能のウィンストンだ。
そして、天才科学者ハーシュは、実は膵臓がんを患っており、余命はわずかだと自分でも分かっている。彼の隠れ家からはジェムザールやフルオロウラシルが見つかる。
ガゥディの建造物や、数々の見術作品に対する描写は、さすがブラウンと思わせる。
我々はどこから来たのか:エントロピーを効率よく散逸させるためには、一定の秩序が必要であり、そうして原始の海から生命が生み出された。これを量子コンピューターのシミュレーションによって証明した。
我々はどこへ行くのか:結末は・・・我々人類はあと50年で滅ぶ運命にある。そしてITと合体したサイボーグとなる。ま、シンギュラリティを肯定した結末だ。
私はシンギュラリティはやってこないと考えているのだが、ダン・ブラウンとは見解が違ったようだ。
しかし一気に読ませる小説には違いない。