オニバイドで膵癌の治療戦略が変わってくる


【日 時】2020年9月21日(敬老の日) 13:00~16:00(開場:12:45)
【参加資格】膵臓がん患者とその家族
【参 加 費】無料
【定 員】 100名
【内 容】
第一部 講演:佐藤典宏先生
   「膵臓がんの標準治療と代替医療~外科医の立場から~」
第二部 患者さん同士の交流会。コロナにも膵臓がんにも負けないぞ!

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。


詳しくはオフィシャルサイトで

9月20日9:00AMまで参加申込受付中です。
スポンサーリンク
LINEで送る
Pocket

まもなく使えるオニバイド

昨日の「膵臓がんの集い Web 交流会」でも皆様と意見交換をしたのですが、オニバイドについてもたくさんの質問がありました。

オニバイドも保険に収載されて5月20日から使えるようになりました。しかし、保険収載はされたが、病院によって準備期間が必要で、すぐには使えないところも多そうです。

さて問題は、オニバイドは膵癌では初めてセカンドラインの抗がん剤として承認された訳ですけども、一次治療ででゲムシタビン+nab-パクリタキセルを使い、耐性がついた患者への二次治療として使うことが想定されています。

一方で、FOLFIRINOXを使った患者は、二次治療としてオニバイドを使うことはできないのかと言うと、そういうことは禁止されているわけではありません。

ただイリノテカンが両方に含まれて、かぶさっております。FOLFIRINOXで効果がなくなっった後で、オニバイドで効果があるのかどうかという懸念も考えられますが、オニバイドの添付文書にはこのような一節があります。

8. 重要な基本的注意
8.1 本剤はイリノテカン塩酸塩水和物をリポソームに封入した製剤であることから、本剤の有効性、安全性、薬物動態等は従来のイリノテカン塩酸塩水和物製剤と異なる。
本剤を従来のイリノテカン塩酸塩水和物製剤の代替として使用しないこと。また、本剤を従来のイリノテカン塩酸塩水和物製剤と同様の用法・用量で投与しないこと。

マイクロカプセルに包まれた DDS 製剤ですから安全性も有効性も異なってくるとの考え方ですね。

実際はどうなのでしょうか、使い始めれば情報が出てくるでしょう。

日経メディカル・オンコロジー、膵癌患者には必読の記事

が載っています。

山口大学医学部附属病院腫瘍センターの井岡達也先生が解説をされています。国内の第2相試験の結果を示しながら、上記のような疑問点にある程度答える内容となっております。

安全性・有効性ともに、国際無作為化フェーズ3試験であるNAPOLI-1試験と相違がないという結果が出ております。

日曜診療でどう使っていくか

  • 遠隔転移を有する膵癌に対する1次治療のスタンダードはFOLFIRINOXとゲムシタビン+nab-パクリタキセルです
  • 1次治療からFOLFIRINOXを使って、2次治療はゲムシタビン+nab-パクリタキセルの施設では、オニバイドの使いどころがなくなる
  • ゲムシタビン+nab-パクリタキセルが1次治療で、2次治療にオニバイド(nal-IRI+5-FU/LV)とすると、3次治療にFOLFIRINOXを使うことができるのだろうか
  • 一次治療で投与するFOLFIRINOXのイリノテカンを勝手にオニバイド(nal-IRI+5-FU/LV)にスイッチすることは、やってはいけません。(これは添付文書にも記載されている)
  • 日常診療ではゲムシタビン+nab-パクリタキセル、そしてnal-IRI+5-FU/LVという流れが主体になるのではないでしょうか。なおこの場合はmodified FOLFIRINOXの立ち位置はなくなります
  • 2次治療に何を選ぶかで1次治療を考えてみますと、オニバイド(nal-IRI+5-FU/LV)を2次治療で使うことで、FOLFIRINOXのオキサリプラチンによる末梢神経障害を心配せずに、1次治療でゲムシタビン+nabパクリタキセルを採用することができる
  • また2次治療にS-1も選択されてきましたが、オニバイド(nal-IRI+5-FU/LV)が承認になったことで、S-1では十分な効果が期待できないことを考えますと、今後はS-1を2次治療にするという選択肢はないだろう

主治医との治療戦略の参考としてください。


がんと闘う多くの仲間がいます。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

このブログの関連記事

  • オニバイドの効果と作用機序オニバイドの効果と作用機序 膵臓がんで初めてのDDS製剤 リポソームイリノテカン(オニバイド)が膵臓がんに対して承認されましたね。久しぶりの膵臓がんに対する新薬の承認です。また […]
  • 膵癌診療ガイドライン2019 一部改定膵癌診療ガイドライン2019 一部改定 5月14日、日本膵臓学会のホームページに、「膵癌診療ガイドライン2019」の一部改訂が発表されています。 改定箇所は、二次化学療法に […]
  • 膵癌診療ガイドライン 2019年版がPDFで膵癌診療ガイドライン 2019年版がPDFで 日本膵臓学会のサイトで、『膵癌診療ガイドライン2019年版』がダウンロードできるようになりました。2019/10/29に改定された部分も抜粋で別に公表しています。 画像をク […]
  • DDSで膵臓がんの治験DDSで膵臓がんの治験 今日から出張、インフルエンザがほぼ治ってくれたのでほっとしています。 日経の記事「膵臓がん新治療法を開発 東京女子医大など、微粒子と超音波で」、興味深いですね。 東京女子 […]
  • 微小カプセルで膵がん治療 東大チーム、マウス実験微小カプセルで膵がん治療 東大チーム、マウス実験 ナノキャリアを利用したドラッグデリバリシステム(DDS)で、膵臓がんのマウスの70日後の生存率が100%という驚くような成績の記事が各社に載っています。膵臓(すいぞう)がんの細胞 […]
  • 富士フイルム ゲムシタビンを使ったDDS 米国で臨床試験開始富士フイルム ゲムシタビンを使ったDDS 米国で臨床試験開始   富士フイルムは2018年5月9日、抗癌剤ゲムシタビンのリポソーム製剤(FF-10832)のフェーズI(NCT03440450)を米国で開始したと発表し […]
  • DACを買い換えたDACを買い換えた サブで主にBGM的に使っているDACがそろそろ寿命かなぁ。 タイムドメインスピーカーBauXar ボザール Jupity301 ジュピティ301 […]
  • 今日の一冊(116)「医者の本音」今日の一冊(116)「医者の本音」 医者は患者の前でいったい何を考えているのか?そうした医者の本音をズバリと書いた本です。中山裕次郎さんは、Yahoo!ニュースなどでも積極的に発信しています。 いつ死んで […]
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です