瞑想

サイモントン療法とは?(1)

サイモントン療法は、アメリカの放射線腫瘍医カール・サイモントン博士により開発された、がん患者さんとご家族のための心理療法です。
1960年代、サイモントン博士が臨床の現場に実際に立った時、ある矛盾に直面しました。同じ診断のくだっている患者さんに対して、全く同じ治療をしているのにもかかわらず、ある人はどんどん元気になり、がんが退縮して、中には消失する人もいる。ところが、ある人はがんがどんどん悪化して、中には死を迎える人もいる。こういう矛盾に直面しました。一度だけではなく何度もこのような矛盾に直面したのです。ここでサイモントンは、一体何が医学に欠けているんだろうか、そして実際に患者さんにとって必要なものは一体何だろうかという風に悩みます。ここでじっくりと患者さんを観察していった結果、どうやら希望を持って日常生活や治療に取り組んでいる患者さんというのは予後が好ましいという風に観察しました。それとは反対に、絶望感に苛まれて治療や日常生活を送っている患者さんというのは、どうも予後が好ましくないということを観察したのです。