心と体
サイモントン療法とは?(8)
私たちの思考は四六時中、あらゆる方向に飛び回っています。いわゆる”モンキー・マインド”と呼ばれる状態なのです。一日中携帯電話にしがみつき、ゲームに熱中し、テレビドラマに時間を費やす。電子メール、電話、その他もろもろが、私たち自身の心の中の世界とのつながりを失わせています。檻の中を意味もなくただ動き回っている猿のように。
こうした”モンキー・マインド”から抜け出す最も重要で、しかし最もないがしろにされていることが、ジョン・カバット・ジンは次のように言います。
「毎日、一定時間一人になり、自分自身と対話することである」と。
それが自分自身に対する究極の愛の行為である。
サイモントン療法とは?(7)
自分の人生が思い通りにならないと感じたり、人生は喜びよりも苦しみの方が多いと感じたりするとき、脳はノルアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンを放出する。
これらのホルモンは、「攻撃・逃避反応」(逃走か闘争反応とも)と呼ばれる神経系を活性化させ、心拍数と血圧を上げ、筋肉を緊張させて、闘うか逃げるかに備える。
そして、この反応は、免疫を司る細胞にも作用することがわかっている。白血球の表面には、血液中のストレスホルモンレベルの変化に反応する受容体がある。白血球の一部は、炎症性のサイトカインやケモカインを放出する。一方で、がんと戦うべきNK細胞は、ノルアドレナリンやコルチゾールによって封じ込められる。ウイルスやがんの前駆細胞を攻撃することなく、血管の壁に張り付いたままになる。
サイモントン療法とは?(3)
その当時のブログの記事が残っています。[blogcard url="https://cancer-survivor.jp/2008/07/352.html"](自律訓練法を)しばらくやっていると不思議と手足が重く感じられて、暖かくなる。熱さを感じるほどになる。そうして続けていると頑固な肩こりも軽減されて、何よりも不整脈がなくなってきた。しかし、不整脈がなくなって相変わらず以前と同じ生活・仕事態度を続けていると、また不整脈がぶり返してくる。いくら新しい薬を飲んでも治らなかった執拗な不整脈が「心」をコントロールすることで治るという経験は、唯物論者である私には信じられなかった。しかし、『病は気から』ともいい、『心のありようが病気を作る』ということが、自分の経験から納得できたのはこの時だったような気がする。
サイモントン療法とは?(2)
このエクササイズによる効果は絶大でした。同時に受けた放射線治療の効果もてきめんであり、さらに、放射線による副作用もほとんど示さなかったのです。そして放射線の継続治療の中間の時点で、患者は食事ができるようになり、また体力や体重も増加し、がん細胞は徐々に消滅し始めるようになりました。そして、ついに2ヶ月後にはがん細胞が消滅するまで回復したのです。
この患者は、長年患っていた関節炎にもこのイメージ療法のテクニックを応用することを決心しました。その結果、関節炎の症状は快方に向かい、関節炎の患者には無理なことと考えられている、水の中に浸かって川で釣りをすることができるほどまでに回復したのです。
サイモントン療法とは?(1)
サイモントン療法は、アメリカの放射線腫瘍医カール・サイモントン博士により開発された、がん患者さんとご家族のための心理療法です。
1960年代、サイモントン博士が臨床の現場に実際に立った時、ある矛盾に直面しました。同じ診断のくだっている患者さんに対して、全く同じ治療をしているのにもかかわらず、ある人はどんどん元気になり、がんが退縮して、中には消失する人もいる。ところが、ある人はがんがどんどん悪化して、中には死を迎える人もいる。こういう矛盾に直面しました。一度だけではなく何度もこのような矛盾に直面したのです。ここでサイモントンは、一体何が医学に欠けているんだろうか、そして実際に患者さんにとって必要なものは一体何だろうかという風に悩みます。ここでじっくりと患者さんを観察していった結果、どうやら希望を持って日常生活や治療に取り組んでいる患者さんというのは予後が好ましいという風に観察しました。それとは反対に、絶望感に苛まれて治療や日常生活を送っている患者さんというのは、どうも予後が好ましくないということを観察したのです。